近年ますます注目を集めている人工知能(AI)ですが、実際のところどのように組織にAIを導入していくことが良いのでしょうか?
本記事では、人工知能(AI)の導入を成功させるために重要な3つのステップをご紹介します。ビッグデータ、機械学習、ディープラーニングの3つの要素を理解し、正しいステップを踏むことがAI技術の導入を成功させる鍵となっています。
本記事をぜひ御社のAI技術の導入にお役立ていただければ幸いです。
人工知能(AI)導入を成功させる3ステップとは?
人工知能(AI)は我々の仕事や暮らしさえも変える力を持っています。特にビジネスの領域でAIは注目を集めており、今後5年のうちに全企業の70%のCIO(最高情報責任者)がAIを導入すると言われているほどです。しかし、新しいテクノロジーを導入するためには何が必要か?ということを理解しなければ、すぐに新しいテクノロジーを導入することは叶いません。
そこで、NashTechではAI技術の導入を成功させるために必要なステップを3つに分けました。
・学習のためのビッグデータを管理する
・機械学習を実践する
・ディープラーニングで未来を予測する
以下では、AIを成功させるためのこれらの重要な3つのステップについて1つずつ説明していきます。
ステップ1:学習のためのビッグデータを管理する
ビッグデータを管理することは、AI技術の導入プロセスの中で最初にして最も重要なステップです。AIの導入に際して、ビジネスリーダーはデータ管理がプロセスにとってどれほど重要かを認識していないことがよくあります。ところが、AIの全ての基本はデータであり、データを管理することが最終的な導入の成功につながるステップなのです。
企業はまず、データを統合、整理し、分析するためにデータサイエンティストとエンジニアの専門知識を活用する必要があります。そうすることで、有用で関連性のある情報が適切に分類され、維持および整理されます。また、null値、重複、異なるソースから得られたデータなどは、今後のAI導入にとって大きな障害となる可能性があるため削除する必要があります。
AIは学習データから法則を見つけ出し、法則に従って再現性のあるアウトプットを出すことが出来る非常に優れた技術です。しかし、逆に言えば、機械は「学習データからしか」法則を見つけ出すことが出来ず、この学習データが理路整然とAIが有益なアウトプットを出すように管理されていなければ、AIは無用の長物と化してしまうのです。したがって、精度高くビッグデータを管理することが次のステップである機械学習の精度に大きく影響してくるのです。
ステップ2:機械学習を実践する
次に、ステップ1で正しく管理されたビッグデータを活用して機械学習を実践します。このステップを通して、ビッグデータを基に機械が学習をし、人間の意志決定プロセスを再現するためのアルゴリズムが形成されます。
定義上ではAIマシンとは、かしこい方法でタスクを実行するものです。つまり、人の手を介さず、マシンそのものが様々な状況を把握し、適応しなければなりません。さらに具体的には、機械学習とは与えられたデータを処理し、そこから学び、より良い判断を下すマシンの構築です。AIのサブセットとして考えるのがベストです。
具体例として、マーケターによる、購入者の行動の予想や影響を知るデータ利用方法を考えるとしましょう。様々な学問体系によって、マーケターは消費者を価値観や考え方、性別、収入などによってセグメントしています。機械も同様に、購入者の行動予測や影響を知るデータを分析することで、誰に、何を、どこで、どのように製品を販売するべきかという結論を導くことが出来るのです。
機械学習実践の最終事例の紹介(ECサイト)
ここまでの2ステップだけでも、企業にかなりの利益をもたらすことになるでしょう。実例として、エンドユーザーの要望、ベンダーマッチングのデータを持つECサイトを運営する顧客についてご紹介します。
彼らはAI技術の導入を希望していましたが、何から始めるべきなのかさっぱり分かっていませんでした。しかし、最初にデータを整理して分析し有用なデータを承認してもらうことで、機械学習のモデルを確立することができたのです。
以降、データがKPI(重要業績評価指標)を導き出す可能性があると結論を出し、新規の問い合わせと売上があった段階でAIが最適なベンダーをマッチングさせ、エンドユーザーに提案できるようになりました。その結果、売上が急増しています。
ステップ3:ディープラーニングで未来を予想する
完璧と思える機械学習にも、まだ発展の余地が残されています。機械学習の致命的な弱点は、未来を予測する能力はが入手できるデータに左右されてしまうということです。
機械学習では、情報が欠落するとシナリオの予測ができませんし、エラーが発生した場合には依然としてエンジニアが調整を行わなければなりません。つまり、完全に自律的とは言えないという事です。ここで、現在のAIの頂点であるディープラーニングの登場です。ディープランニングの特徴は、データに基づく予測が正確か否かをアルゴリズム自身が判断できるということです。
ディープラーニングは機械自身の意思決定を反映し、過去の経験に基づいて改善する能力を持っているのです。簡単に言えば、機械学習がアルゴリズムを使用してデータを解析し、そのデータから学習し、学習した内容に基づいて十分な情報に基づいて意思決定を行うということです。したがって、より少ない情報からでも機械学習と同様の学習を行い、同程度のアウトプットを出すことが出来るようになるのです。
実例として、有力なデジタル評価および学習プロバイダであるJanisonとの共同研究についてご紹介します。元々Janisonでは、機械学習を適用してデジタル評価を行い、スコアリングしていました。現在では、ディープラーニングアルゴリズムを適用しており、スコアリングの精度が上がり、ユーザーの信頼も高まっています。
まとめ
技術の進歩によって手軽なソリューションが生まれるかもしれません。しかし現在のところ弊社の知る限り、ビジネスではAIの導入を成功させるための適切なステップを踏まなければなりません。
2019年以降、さらなる成長が期待される人工知能(AI)技術の展望について欧米の最新トレンドをまとめた記事も紹介しています。
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