本記事では、今では多くのビジネスで欠かせないものとなっているアプリ開発についてご紹介します。アプリ開発は企業にとって必要なのか?という背景から始め、アプリの開発手順や開発の費用を決定する因子についてご紹介します。さらに、アプリ開発に失敗しないために考慮するべきことも合わせてご紹介します。本記事を通して、アプリ開発に関する体系的な理解が促進されれば幸いです。
アプリを開発するべき理由とは?
本節では、そもそもなぜアプリを開発すべきなのか?ということを、アプリの必要性やメリット・デメリットの観点から紐解いていきます。
アプリの必要性とは?
2018年、MMD研究所が日本国内のスマートフォン利用率は約78%に到達したことを報告しました。この数字が意味することは、若い世代のみならずシニア層もスマホを利用するようになったということです。もはやスマホが若者だけのツールで無くなった今、いかなるビジネスを行う上でも、ユーザーとの接点を増やし、エンゲージメントを高めるうえで、アプリは欠かすことのできないツールへとなったのです。
また、マーケティング調査会社のニールセンによると、スマートフォンアプリの利用状況について、次のことが明らかになっています。
「1台のスマートフォンでは平均30個のアプリが利用され、利用時間の85%をアプリの利用が占める」
このデータから、スマートフォンユーザーと接点を持ちたいのであれば、アプリというチャネルを用いることが極めて重要となることがわかるでしょう。
アプリが導入される業界や、アプリの種類とは?
「アプリ」というとtoC向けのゲームやサービス系のモバイルアプリをイメージする方も少なくないと思います。近年のモバイル端末の急普及によりtoC向けのゲアプリはもちろん拡大しているのですが、toB向けのウェブアプリやBtoBtoC向けのアプリにも注目が集まり、導入する企業が急拡大しているのです。
具体例として、製造業では工場の生産ラインコミュニケーションの改善や、確認作業を端末上で行うためのWEBアプリケーションの導入が進んでいます。また、保険や銀行といった金融業では、エンドユーザーの顧客満足度をより高めるためのアプリ開発に各社は力を入れています。
「アプリ開発」は業務の効率化や顧客満足向上といった複数観点から、企業の成長戦略の一部となっているのです。
アプリの3つのメリット
- スマホ利用者の目につきやすい
スマホアプリの最も大きな特徴と言うと、やはり「スマホのホーム画面にアイコンが表示される」ということでしょう。ホーム画面にアイコンが表示されるということは、ユーザーからの認知度を上げることに加えて、常にアクセスしやすい状況を作り出すことに繋がります。
- 未読のお知らせの数を表示させて訴求できる
LINEなどのアプリを使ったことがある人にはお馴染みですが、アプリが通知を受信すると、アイコン上に「数字(バッジ)」が表示されます。これは未読になっているお知らせの件数を知らせるもので、設定によっては、内容が確認されるまでバッジは表示され続けます。
- ユーザーのエンゲージメントを高めやすい
アプリはWebサイトと比べて、アクセスまでの動線が単純なためアクセス頻度が高くなる傾向があります。したがって、ユーザーのエンゲージメントを高める仕組みとしては最適なツールといえます。
アプリ開発手順とは?
ここまでは、企業がアプリを開発するべき理由についてご紹介しました。それでは、アプリ開発はどのように行っていけばよいのでしょうか?アプリ開発の手法としては大きく、「自社で開発する」か「開発を外注する」の2通り選択肢が存在します。
自社で作成する場合の開発手順
本節は、現在アプリの開発を企画中という方、ちょうど上司から言及されたばかりという新規事業担当者・Webサービス担当者向けの節です。アプリ開発の基本的な工程には、「ウォーターフォールモデル」と「アジャイルモデル」の2つがあります。
ウォーターフォールモデルは、すべての要求に対し、要件定義や設計・開発、検証を段階的に終わらせていくのが最大の特徴となります。
一方アジャイルモデルは、リリースまでの期間が短く、開発途中の仕様変更・要件変更にも柔軟に対応できる新しい開発手法で、要件定義や設計・開発、検証を機能単位の小さいサイクルで繰り返すのが大きな特徴です。
私たちNashTechは上記2つのモデルについてより詳細に記した記事もご紹介しているので、合わせてお読みください。
合わせて読みたい: システム開発を成功に導く10の工程とは?ラボ型開発についてもご紹介!


外注する場合の開発手順
次に社内リソースが無く、アプリ開発を外注したい企画開発者や経営者向けの開発手順をご紹介します。基本的な流れは以下の5ステップに分けることができます。
- アプリの種類を理解する
- 作りたいアプリイメージを明確にする
- 依頼する会社選びを行う
- 各社に要望を伝える
- 見積もりを比較し発注先を決定する
実際のビジネスの現場では、複数の会社に依頼した後、費用を比較した上で外注先を決定することがほとんどです。そのため、アプリ開発にどれほどの費用がかかるのか数字感を持っておくことが重要となります。
アプリ開発に失敗してしまう原因とは?
近年はエンジニア不足の問題もあり、自社の開発リソースが不足する企業が増加する中、アプリ開発を外注する企業が増えています。しかし、外注をしたはいいものの、「納品物に納得がいかない」「ベンダーとのコミュニケーションに苦労した」「納期に間に合わなかった」といったご経験をされた企業も少なくありません。
なぜこのような失敗事例が生まれてしまうのでしょうか?それは、ベンダーの「ビジネス(開発物)への理解不足」と「お客様に寄り添ったコミュニケーション不足」が要因となります。
アプリ開発を成功に導く方法とは?
アプリ開発を成功させるためにまず重要なことは「ビジネス(開発物)への理解」です。提示された仕様書を元に、開発物や開発目的を理解をした上で開発をすすめるだけでなく、クライアントにパーソナライズされた最良の開発ソリューションを提案することが、クライアントの期待以上の納品を創出するために必要です。開発に合わせた技術・言語・ライブラリの選定を的確に行ってくれるベンダー選びがアプリ開発で失敗しないための重要な要因の一つとなっています。
また、コミュニケーションを円滑にすることも、アプリ開発を失敗しないための重要な要因です。仕様・要件の伝達の時点でミスコミュニケーションが生まれてしまうと100%納品は上手くいきません。そうならないためにも、ベンダーと密なコミュニケーションを行う事ができることが重要です。
弊社の事例を紹介させていただくと、NashTechは年間で200個以上の世界各国のお客様のアプリ開発プロジェクトを成功させています。国が異なれば商習慣も異なります。だからこそ、「ビジネス(開発物)への理解」と「お客様に寄り添ったコミュニケーション」こそが開発を成功させるために必要不可欠だと考えています。
アプリ開発費用相場は?どのように計算されるのか
アプリ開発の費用相場と計算方法
アプリ開発の費用の相場は80万~120万と言われています。
具体的な計算方法としては、
「アプリ開発に必要な時間(工数)× 1時間当りのエンジニアのコスト+@=見積もり金額」
エンジニアコストはエンジニア個人の意思決定に大きく左右されるため、外注する側の視点である程度コントロール可能な因子は「実装工数」となります。つまり、アプリに多くの機能を盛り込み、時間をかけて作成するほど費用は高くなるということです。
+@について、ビッグデータの活用を前提とした場合のアプリ開発を行う際は、データアナリティストの活躍が必要不可欠になります。なぜならエンジニア=データアナリティストではないからです。高度な開発を行うときにチームを組んで開発を行う際には+@で因子が生まれます。高度な開発の場合、開発と専門的なデータ解析をそれぞれ別のベンダーに依頼すると最終的な費用が非常に高くなってしまうことがありますが、NashTechのように開発もデータ解析も行うことができると、複数ベンダーに委託するよりコスパの良い開発を行うことができます。
アプリ開発の費用を抑える5つの方法
アプリ開発では、工夫次第で費用を抑えることも可能です。戦略的に費用を抑える方法として、以下の5つの方法をご紹介します。
- 事前の開発要件定義に時間を使い、開発をスムーズに行う
- 要件定義やデザインなど自社で対応できる部分は担当する
- 開発会社と利益を分配するレベニューシェアを利用する
- 顧客に最低限の価値提供できるミニマムな開発で進める
- プログラマ・エンジニアの人件費相場を把握して、アサインする
ただし、上記については専門的な知識も必要となるため、経験のない中で社内で調整すると非常に時間がかかってしまうことがあります。そうなると、要件調整から相談に乗ってくれるベンダーに委託することが最もコスパが良い結果になる傾向があるのです。
最後に、アプリ開発を行う前に必ず考えるべきこととは?
最後に、アプリ開発を行う前に必ず考えるべきことをご紹介します。一言でいうと、「なぜこのアプリを開発するのか?」ということを徹底的に考え抜くことです。
アプリを開発し適切な運用を行い多くの人に利用してもらうことができれば、企業名やサービス名を広め、ブランディングにも役立ちます。一方で、運用を放棄して放置されたアプリなどはかえってその企業・サービスへの信頼感を損ないます。
そのため、アプリ開発を行う際は開発前に中長期的な目線で「このアプリを開発する必要性」は何なのかをしっかり認識し、運用計画などについてしっかりしたビジョンを持っておくことが必要となるのです。NashTechは世界各国の事例を元に、そういったご相談もお受けしているので、ご興味お持ちいただけましたらお気軽にご相談ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?本記事が、アプリ開発に関する理解を深める一助になれば幸いです。アプリ開発にかかる費用感を適切に把握し、最適なアプリ開発を行いましょう。
また、NashTechでは、モバイルアプリ開発やシステム開発から、ブロックチェーン開発やAR/VR開発のご相談やアウトソーシング事業などを行っています。グローバルで得た知見を元に多くのお客様の技術導入をサポートしてきました。本記事を読んで少しでも弊社にご興味をお持ちいただけましたら、こちらまでお気軽にお問い合わせください。

