デジタルトランスフォーメーション (DX) という言葉は、この10年間で何度も飛び交っています。 

テクノロジーによってビジネスのやり方が急速に変化する中、デジタルトランスフォーメーションは急速に企業の必須事項となっています。現在、70%の企業がデジタルトランスフォーメーション戦略を持っている、もしくは現在進行形で取り組んでいます。

デジタルの世界ではあらゆるやり取りが「データ」を生成するため、そのような「データ」はデジタルトランスフォーメーションにおいて重要な柱となります。デジタルトランスフォーメーションの最も重要な側面の1つは、企業や組織がどのようにデータを活用しているかを理解することです。より多くの企業や組織がデジタルトランスフォーメーションの推進を進めていくにつれて、データ分析が始まりから終わりまで、どのような役割を果たすかを理解することがますます重要になっています。

変革へのデータドリブンアプローチ

あらゆるデジタルでの交流がデータとして蓄積されていく、我々はそのような高度につながり合った世界に住んでいます。データの消費と利用はここ数年で大きく変化しています。また、それによって新しいビジネスモデルが形成され、より顧客中心的なアプローチによる変革が推進されています。

この新しいデジタルの世界で企業が競争し、そして成功できるかどうかは、迅速かつデータに基づいた意思決定を行う能力があるかどうかで決まります。しかしながら、直感や経験、意見などではなく、定量的な情報に基づいて意思決定している企業は全体の50%以下です。

今日のビジネスリーダーは直感に頼るのではなく、データドリブンな文化を組織内に育む必要があります。データを活用することによって企業は、顧客が誰で、彼らがどのように行動するかをよりよく理解することができるようになります。それだけでなく、トレンドを特定したり、効率を高めてコストを削減するために必要な改善を行うこともできるようになります。Gartner社は、企業戦略の90%がデータを重要なビジネス資産として参照し、分析を重要な能力として参照すると予測しています。

データ管理における共通課題の克服について

デジタルトランスフォーメーションの最も重要な側面の1つは、組織がデータをどのように活用しているかを理解することです。しかし残念なことにほとんどの企業で、データは貴重な資産として扱われていません。

意思決定者は信頼できるデータソースに即座にアクセスする必要があります。ですが実際にはデータを探し、その品質をチェックすることにほとんどの時間を費やしているため、最終的には不満が残ります。企業が組織全体で取得しているデータの種類や正確性、そしてその出所を把握することは非常に重要です。NashTechのUK Delivery 責任者であるJon Last氏は、「データ管理は今後、さらに普及し影響を及ぼしていく課題です。私がこの業界に入った20年前は、デジタル化しているかどうかに関わらず、データを知らなければ、すぐに混乱に陥ってしまうような状況にありました。」と述べています。

ここでは、データ活用への取り組みを始めるにあたって克服すべきいくつかの障害を紹介します。

  • データのサイロ化:データがサイロ化され、異なるビジネスユニットやツール、プラットフォームで分割されてしまうと、企業がデータを統合し、その価値を最適化することが難しくなります。現在、ITリーダーの89%が、データのサイロ化をデジタルトランスフォーメーションにおける最大の障害の1つと見なしています。データへの適切なアクセスは、本来ブロックされるべきものではなく、組織全体に自由に行き渡るようにするべきものです。
  • データの品質:高品質なデータは、ビジネスの目的を達成するのに役立ちます。しかし、データの品質を確保するための適切な手順が講じられていないと、余分なコストの発生や機会損失につながる可能性があります。Experianの調査によると、68%の企業がデータ品質の低下がデータと変革におけるイニシアチブに影響を与えると回答しています。ほとんどの企業において、データの問題はデジタルトランスフォーメーションの取り組みが停止したときに初めて表面化します。なぜなら企業がデータの品質に対応できていないためです。
  • レガシーシステム:レガシーシステムやアプリケーションは、デジタルトランスフォーメーションにおいて大きな障害になることがよくあります。数十年前に構築されたこれらの古いシステムは、現代のデジタルでの交流を強化し、ユーザー体験を向上させるという点で、時代遅れになっていることがよくあります。レガシーシステムは、維持やアップデートにコストがかかることが多く、場合によっては企業の最新のシステムとの統合ができない可能性もあります。そのため、企業が使用しているレガシーシステムについて、データアクセスに関する限界点がどこまでなのかを理解することがとても重要です。データはタイムリーにアクセスできない場合もあったり、時にはまとめて提供される場合もあったりします。

デジタルトランスフォーメーションをサポートするためにデータ戦略が必要な理由

デジタルトランスフォーメーションは、しばしばその目的を達成できないことがありますが、その理由は複雑かつ様々です。企業がどのようにデータを活用しているかをしっかりと理解することで、データ活用の最適化や、分析力、洞察力を適用できるようになります。その結果、ビジネスにおいてより良い成果を上げることができるようになるのです。

データ戦略のロードマップから始めることで、プログラムを推進し、現在および将来への投資を実現することができます。データ戦略のロードマップを構築するためには下記が必要になります。

  • 明確なデータ戦略:もしデータ戦略がないと、企業が変革への取り組みを行う際、データを活用するのに苦労することになります。Jon Last氏は「そもそもデータを管理できていなければ、デジタルトランスフォーメーションは失敗する危険性があります」と述べています。戦略がなければ、データがどこから来ているか、所有しているデータの種類は何なのか、そしてそれを使って何ができるか等といったことを知ることは困難です。データ戦略は、データだけにとどまりません。明確な戦略があれば、データの活用や、ビジネスの目標を達成するために必要な人材、プロセス、テクノロジーが何なのかを示してくれるでしょう。
  • データマネジメント計画:戦略が決まったら、データをどのように管理するかを定義する必要があります。Jon Last氏は「もし、企業が持っているデータを把握できていなければ、そのデータを使って何か役に立つこと(例えば、使いやすいワークフローを作ること)を実現する能力を失ってしまいます。」と述べています。効果的なデータ管理計画は、デジタルトランスフォーメーションをサポートするだけでなく、データを管理、保護、使用する方法を定義し、ビジネスの目標を前進させるための有意義なデータにアクセスすることを可能にします。
  • チェンジマネジメント:デジタルトランスフォーメーションの取り組みを成功させるためには、文化の変革も必要です。データは組織全体の戦略の一部である必要があります。それはつまり、データを推進し、受け入れる文化を作るということを意味します。真にデータドリブンな文化とは、適切な人材に投資し、企業全体のデータリテラシーを向上させ、企業文化を繁栄させるために必要なツールやフレームワークを提供することを指します。データ戦略を効果的に伝える計画を立て、早い段階で頻繁に賛同を得て、なぜデータが重要なのかをチームメンバーに伝えることが重要です。

 

データは、企業がデジタルトランスフォーメーションに取り組む際の出発点になるだけで無く、その取り組みを通して企業を正しい道へと運ぶ道標にもなるのです。デジタル技術を積極的に導入しても、データ中心の戦略と強固な管理体制に裏打ちされていなければ、ビジネスの進展にはつながりません。完璧なデジタルトランスフォーメーションはありません。しかしながら、優れたデータマネジメントと管理体制は、ビジネスにおいて良い結果をもたらす可能性を高めることができます。

デジタルの世界へ移行することは、どんな企業にとっても大きな変化となります。データマネジメントへのアプローチについて詳しく知りたいという方はこちらをご覧ください。お電話でのお問い合わせもお待ちしております。