最近話題を欠かさないDXプロジェクトの「DX」とは、デジタルトランスメーションの略で、企業が既存のシステムから、新しいシステムに移行することを意味しています。DXプロジェクトは新型コロナウィルスの影響拡大を基に多くの企業が課題に直面する中取り組みを始めています。今回は、そんなDXプロジェクトにおけるシステムリプレースの概念や、流れ、多くの企業が躓いてしまう点などについてご紹介します。
DXプロジェクトにおける「システムリプレース」とは?
DXプロジェクトにおいてのシステムリプレースとは、原則としてシステムの中心となる業務機能は現状を維持し、再構築を行っていくことです。その上で、専門的なリサーチにより必要な機能を追加したり、逆に必要のない機能を排除していきます。
しかし、システムリプレースは失敗に終わってしまうケースも数多くあります。それらのケースは、似た傾向が見られ、失敗しないためには、以下の4つのことを意識することが大切です。
DXプロジェクトで失敗しないための4つの定義
- 手の内化:自社のシステムにデジタルを活かす持続的な仕組みと体制をつくるために、ベンダーロックイン、属人化から脱却する。
- 見える化:システム内部構造や動作管理を見える化し、問題発生時の因果関係が分かるシステムを構築する。
- 品質重視:コストやサービスデリバリを気にするよりも、品質に徹底的にこだわった方が成功しやすい。
- 業務機能の維持:時代の変化に合わせ必要ない機能は無くし、必要に応じて機能を追加し常に改善視点を忘れない。
DXプロジェクトの「失敗事例」と「成功事例」
システムリプレース時は、開発前から開発後の全プロセスにおいて一貫した取り組みが重要です。そして、一貫した取り組みを行うためにはプロセスの全段階において現状の分析をすることは必須となります。
下図ではDXプロジェクトの「失敗事例」と「成功事例」を紹介しています。失敗事例では、複数社が各プロセスを担当していることにより、開発のフェーズまで落ちてきた段階で概要設計に問題が発覚し、再確認に時間やコストのロスが発生したケースです。
一方、成功事例の方では、調査・概要設計の上流工程からコンサルタントの役割も果たしつつ開発知識を備えた「リサーチチーム」が入ることにより、開発効率が30-40%改善された事例になります。
DXプロジェクトに置いては、上流工程からの一貫した取り組みが成功の鍵となります。

DXで企業が躓く点と解決策
では、実際にDXのシステムリプレースにおいて企業が躓く点と解決策も紹介いたします。DXにおいては、開発現場での問題が生まれやすく、上流工程から開発を意識した設計が最も重要になります。実際に多くの企業が躓く点と解決策をご紹介します。
躓く点1.使いやすさも、技術可能性も意識しなければいけない
実際に既存システムの改善や新規システムの開発を行った後、「操作性も含めて、現行と同じにしてほしい」「現行と比べてパフォーマンスが悪い・・・」などの声も多く聞かれます。システムリプレースの現場では開発技術の向上と同時にユーザビリティ向上にも努め、稼働直前までより使いやすいシステムへと改修していくことが大切になります。
躓く点2.システム概要の整理と仕様書作成
システムを改修したり新たに開発したりする際は、システム概要を整理し仕様書を作成しないといけません。しかし、新たな技術や複雑なシステムをそのまま仕様書として載せてしまうと、技術者ではない関係者がいる場合は周囲に理解を得られない場合も存在します。開発者側は、技術の開発だけではなく、仕様書の理解のしやすさまで意識していく必要があるため、時間がかかってしまう場合があります。
解決策.フロントリーディングの導入(リサーチチーム導入)
上記のように、DXプロジェクトは調査から仕様書への落とし込みまで時間と工数をかけて行う必要があり、開発前に躓いてしまう企業は多くいます。その中で、開発を効率化するための解決策が「フロントリーディング」です。開発を理解したリサーチチームを上流工程時点で導入することで、一部開発を勧められるプロセスを見極め、部分的に開発を進めていく方式です。
プロトタイプ開発を並行して行うことで、開発速度の工場はもちろん、机上では提起されなかった問題への直面と対策の実施をいち早く行うことができます。

▼リサーチチームの詳細については下記記事でも紹介しています。
https://www.nashtechglobal.jp/offshore-research-team/
まとめ
今回は、DXプロジェクトにおけるシステムリプレースに関する情報をご紹介しました。システムを開発するだけではなく、以前のシステムを使っていたユーザーにも満足いて頂くところまで考えるのが、システムリプレースならではの難しさですね。こういった観点からも、DXプロジェクトを依頼する際は、過去にシステムリプレースの受注歴がある会社を選ぶことをおすすめします。

