近年あらゆる業界でAI(人工知能)の重要性が増しており、今後の15年で既存の仕事の約50%が不要になると言われています。本記事では、AIの重要性が増している背景など基本的な内容から始め、NashTechのグローバルな知見を活かした最新の活用事例をご紹介します。最新の先行事例が、AIを活用するための足がかりとなれば幸いです。

 

AIの重要性が増している背景とは?

人手不足解消の足がかり

現在、日本が抱える重大な問題として深刻な人手不足が挙げられます。2019年4月に行われた調査によると国内で正社員が不足している企業は50.3%にも登ると言われており、2030年には644万人もの人手が不足すると言われているほどです。

AIを活用することのメリットの1つに、業務の効率化による省人化があります。RPAに代表されるようなホワイトカラーの定型作業をAIが代わりに行ってくれるのです。今後、労働者不足に悩む企業は必要に応じてAIの活用に取り組むことが求められるようになるでしょう。

研究が盛んに行われている

近年、AIに関する研究が盛んに行われており、AIを活かしたサービスを提供する企業は年々増加しています。その勢いは、2015年時点では1,500億円程だったAI関連ビジネスの市場規模が、2030年には14.1倍の2兆1,200億円程にまで拡大すると予想される程です。

企業が抱えている経営課題は企業によってさまざまです。しかし、AIに関する研究が盛んに行われ、AIを活かしたサービスが豊富に生まれるようになれば、経営課題を解決するのに最適なサービスが見つかるようになるでしょう。

 

AIで出来ること・出来ないこととは?

ここでは、これまで述べてきたように重要性がますます高まっているAIを用いて何が出来て、何が出来ないのかということをご紹介します。

AIで出来ること

  1. 大量のデータ処理
    まず初めに、人間と機械の大きな違いといえば大量のデータを高速で処理することが可能ということでしょう。人間が数年・数十年かけて学ぶような知識をAIは一瞬で学ぶことができます。
  2. ルールに沿った作業
    上記でも述べたように、機械はホワイトカラーの単純作業をAIは代替することが可能です。事実やルールに沿って決められたルーティンをひたすら繰り返すことに優れています。
  3. 共通点を見つける作業
    最後にAIは全く異なる大量のデータを読み込み、読み込んだデータの共通点を見つけることにも優れています。例えば、オンラインショッピングをしているとおすすめ商品があなたのスマホの画面上に表示されるようなことも、過去の閲覧履歴からAIが自律的に共通点を見つけ出しているのです。

AIで出来ないこと

  1. ノイズ多いデータ処理
    AIは読み込んだデータを基に学習し、ルール通りの作業を繰り返したり、共通点を見つけ出すことが出来ます。裏を返すと、読み込んだデータのルールがバラバラであったり、共通点の全くないようなデータを入力したところで能力を十分に発揮することが出来ないのです。
  2. 感情を汲み取ること
    人間関係を円滑に進めるうえで、相手の気持ちを察して空気を読むことがその場の損得以上に重視されることがよくあります。人間の気持ちは複雑なため、人工知能が最善と判断したことは正しいかもしれませんが、人間の気持ちも踏まえた判断にするまでには至っていません。
  3. クリエイティブな作業
    AIはあくまでも読み込んだデータから学習し、アウトプットすることしか出来ません。そのため、「クリエイティブな作業」をこれまで誰も思いつかなかったような革新的なアイデアを生み出すことと定義するのであれば、AIにはまったく新しいものを生み出す力は無いと言えます。

 

機能別AI活用事例

上記のようなAIの能力を用いて、頻繁に利用されるAIの機能といえば以下の3つが挙げられるでしょう。

・画像認識

・音声認識

・自然言語処理

以下では、NashTechのグローバルな知見を活かして各機能別の最新事例をご紹介します。

画像認識:Amazon Goの事例

画像認識の機能を最大限活用してイノベーションを起こした事例として、Amazon Goの無人コンビニが挙げられるでしょう。利用者は、店舗入口で交通系電子マネーをかざして入店し、店内に陳列された食品や飲料などの商品を手に取るとAIが自動的に購入金額を算出し、決済ゾーンで交通系電子マネーで決済できるという仕組みです。

その際に、AI無人決済システムスーパーワンダーレジは、天井に複数個設置されたカメラで人物と商品を認識し、どの人物がどの商品を取ったかを認識するというAI技術を用いているのです。

日本でも導入実験は行われており、2018年にJR赤羽駅でAIを使った無人決済店舗の実証実験を実施しました。

音声認識:スマートスピーカーの事例

音声認識の精度は年を追うごとに増していき、現在では95%の精度を誇ると言われています。音声認識技術が活用される代表的なものに「Google Home」をはじめとするスマートスピーカーがあります。声だけで操作が可能で、音楽再生や天気予報を聞き出すことができるのは、機器の中に組み込まれたAIが人の声を認識しているからです。

自然言語処理:AIアナウンサーの事例

中国の国営メディアである新華社通信は、検索エンジンを手がける搜狗と共同で2018年11月、本物の人間そっくりなAI男性アナウンサー2人をお披露目しました。テキスト記事を入力すると、AIアナウンサーは人の声や口の形を真似、自然言語を処理することでニュースを伝えます。

日本国内でもAIアナウンサーはすでに導入されており、NHKは2018年4月、一部の番組でニュース原稿をAIに読ませるサービス「ニュースのヨミ子」を実施しました。同社に所属するアナウンサーに大量のニュース原稿を読んでもらい、録音した音声データを10万語の音素に分解。AIはNHKのウェブサイト上のニュース原稿をもとに音素を組み合わせて自然言語処理を行います。

 

業界別AI活用事例

これまではAIが出来ることを基準に事例を見てきましたが、ここでは少し視点を変えて業界別の事例をご紹介します。

医療業界:Arterys社の事例

医療分野でも米国はAI(人工知能)の導入が盛んであり、画像診断支援から医学研究まで幅広く見られます。Arterys社では、蓄積された心臓のMRI画像や、肝臓の画像を基に診断を支援するサービス「Cardio AI」や「LIVER AI」が開発されています。

「Cardio AI」はAI技術を用いて心臓MRIの画像を分析する世界初の心疾患診断支援ソフトウェアです。心臓の形状や動きを診断するのに1時間かかっていた作業がわずか数秒で終わり、より正確で一貫性のある診断が可能になるのです。

Arterys社によるとAIの診断精度は極めて高く、2017年1月には、FDA(米国食品医薬品局)から医療向け機器としての認可を受けるほど信頼を集めています。

農業界:Blue Liver Technology社の事例

米国ではSmart Agricultureと呼ばれる農業に対するAI(人工知能)技術開発が活発化しています。Blue River Technology社では、AI搭載の「See&Spray」というトラクター等に取り付ける除草剤散布をコントロールする機器を開発し、カメラを用いて雑草だけにピンポイントに除草剤を噴霧することを可能にしています。

「See&Spray」は、除草剤抵抗性雑草を含む雑草に関する数万種類の膨大な画像データをAIに学習させています。「See&Spray」にはカメラと赤外線センサーが搭載されており、雑草の色、形状などの特徴を認識して、学習した雑草のデータとを照合し、雑草の種類を特定することで、その雑草にのみ効果的な除草剤を散布することが可能となっているのです。

スポーツ業界:Satisfi Labs社の事例

スポーツ業界では、競技に関するAI活用に加えて、プロモーションやスタジアムに訪れた顧客に向けた顧客サービスとしての活用事例も広がりを見せ始めています。Satisfi Labs社は、様々なスポーツの試合が行われるスタジアム運営を効率化するプラットフォームサービスの提供を行っています。

まず、スタジアム運営事業者はSatisfi Labs のAIにスタジアムに関する様々な情報を学習させるます。ユーザーからのアプリやフェイスブックのメッセンジャーなどによるスタジアムの施設や試合についてなどの質問を行うと、ユーザーのいる場所に合わせた回答を得ることができるのです。

さらに、Satisfi LabsのAIではユーザーの位置情報を加味した回答や、監視カメラの情報から大まかなトイレの待ち時間まで伝えることまで実行することが可能となっています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?本記事では、NashTechがグローバルで活躍する多くの企業の成長をサポートした経験を活かし、AIが世界でどのように活用されているのかをご紹介しました。医療や農業などありとあらゆる業界がAIによって全く新しい形として生まれ変わろうとしています。先行事例を参考にAIを活用することが、今後の企業の成長を担うと言っても過言では無いかもしれません。

また、NashTechではグローバルで得た知見を基に多くのお客様の技術導入をサポートしてきました。本記事を読んで少しでも弊社にご興味をお持ちいただけましたら、こちらまでお気軽にお問い合わせください。