多くの業界でDX化が進み、さまざまな作業が自動化されつつあります。そんな中で、現在多くの企業において今後の導入が期待されている「ハイパーオートメーション」。みなさんは、ハイパーオートメーションとは何かご存知ですか?前述した通り、今後、企業において導入が期待されている技術で、作業効率化やコスト削減などさまざまメリットをもたらしてくれる可能性があるものです。

そこで本記事では、概要や仕組みに加え、注目されている背景やメリット・デメリットなど、ハイパーオートメーションについて詳しくご紹介します。

ハイパーオートメーションとは?

そもそもハイパーオートメーションとは何なのでしょうか。以下でみていきましょう。

・概要

ハイパーオートメーションとは、ERPと呼ばれる統合基幹業務システムによって、統合されたシステムの中で、AI(人口知能)やML(機械学習)、RPA(ロボットによる業務自動化)などを組み合わせることで、より高度で複雑な作業やビジネスプロセスを自動化する取り組みのことです。2019年にGartner(ガートナー)社が提唱し、ここ数年で耳にする機会が増えてきました。一部の作業ではなく、多くのツールを組み合わせて一連の作業を自動化することから、「真の自動化」であると考えられています。

・仕組み

Gartner 社は、AIとMLによるRPAの拡張がハイパーオートメーションの中心となるテクノロジーであるとしており、これらが組み合わさることでビジネスプロセスを自動化する仕組みとなっています。AIが、これまで人間が行なっていた判断や決定を代わりに行います。そして、その判断に基づいて、RPAの技術を駆使してこれまで人間が行っていた業務をロボットが代わり行うという流れです。さらに、AIの判断能力や業務技術を向上させるためにMLによって学習させ続けます。このように、AI、ML、RPAがそれぞれ組み合わさることでプロセスの自動化を実現するのがハイパーオートメーションの仕組みです。

注目されている背景やRPAとの違い

では、なぜ現在ハイパーオートメーションが注目されているのか。それは、先ほど少し記載しましたが、2019年10月にGartner社が「2020年における戦略的テクノロジー・トレンドのトップ10」を発表した記事内で、ハイパーオートメーションの技術について言及したことがきっかけです。また、2022年でも再度言及しており、多数存在する新しいテクノロジーの中でもITを活用した革新的な変化を期待できる技術として注目が高まりました。後ほどご紹介しますが、ハイパーオートメーションを導入することで業務の効率化やコストの削減など、さまざまなメリットがあります。

ハイパーオートメーションのメリット・デメリット

以下では、ハイパーオートメーションのメリット・デメリットについてそれぞれご紹介しています。

・メリット

ハイパーオートメーションの基本的且つ最大のメリットは、業務効率化とそれによる生産性向上です。あらゆるビジネスプロセスを自動化できるため、従来人間が行なっていた部分を自動化することによって、より早く作業を進めることができます。また、自動化したことによって余ったリソースを別の場所にまわすことができるようになります。そうすると、適材適所の人材配置が可能になり、これまで人手が足りていなかった部分を補うことも可能になります。さらに、これまで人間が行なっていた作業を自動化することで属人化を防ぎ、専門性の高い業務も代わりに機械に任せることができるようになります。結果として、大幅な生産性の向上にも繋がるのです。

メリットは生産性の向上や業務効率化だけではありません。より多くの作業を自動化することで、データの蓄積にも繋がります。データを蓄積することができるとそこから分析や業務改善を行うこともできます。

・デメリット

さまざまなメリットが存在するハイパーオートメーションですが、もちろんメリットだけなくデメリットも存在します。まずは、全体的に業務の見直しが必要になることです。一部の作業を自動化したりツール導入を行うだけではハイパーオートメーションは実現できません。そのため、業務全体の見直しを行い、実際にツールが導入できるのか否かを確認する必要があります。また、ツールを導入するためのコストもかかります。ハイパーオートメーションを実現するためのプラットフォームの導入や業務構築をした上で、そのコストがメリットを上回らないよう、しっかりと計画しなければなりません。

このように、ハイパーオートメーションにはメリット・デメリットが両方存在するため、導入する前に現在の業務や導入後の改善見込みなど多くのことを検討し、計画的に導入する必要があります。

まとめ

いかがでしたか?本記事では、注目度が高まっているハイパーオートメーションについて、概要や仕組みに加え、注目されている背景やメリット・デメリットなど詳しくご紹介しました。今後も、ハイパーオートメーションの導入やその働きにぜひ注目してみてください。