174億ドル市場のFinTech(フィンテック)業界は成熟しきってしまったのか?

本記事では、FinTech業界の成長の背景と今後の展望をご紹介致します。テクノロジーが既存の業界と組み合わさって新しい業界を形成するということが近年頻繁に起こっています。FinTechはその代表例と言っても良いでしょう。これらの業界が成長した背景や今後の展望を理解することが、あなたのビジネスを成功させる助けになれば幸いです。

174億ドルの投資が集まるFinTech(フィンテック)業界

リーマンショック以降の経済回復と共に、近年イノベーションと雇用の拡大を推進している業界が存在しています。その1つがFinTech業界です。拡大を遂げた業界の中でもFinTech業界の成長は非常に顕著でした。

2010年以前はFinTechについて聞いたことがある人はほとんどおらず、消費者向け金融サービスにアプリケーションを使用したことを評価した人はCIOやCTOを除いてほとんどいませんでした。しかし、10年も経たないうちにオンラインおよびアプリケーションベースの金融業務が世界中で一般的になりました。「FinTech革命」があったと言っても過言ではないほどの変化が起こったのです。

現在、イギリス、アイルランド、アメリカの間では、5000社以上のFinTech企業があると推定されています。アジアも加えると、その数は8,000社を超えます。さらに、世界のVC投資は堅調に推移し2016年には11%増の174億ドルとなりました。なぜFinTech業界はそれほどまでの成長を遂げたのでしょうか?

FinTech(フィンテック)業界の成長の背景

FinTech業界の劇的な成功の背景を理解するためには、2008年のリーマンショックと景気後退を振り返る必要があります。金融機関の信用危機後、金融業界は非常に不安定な流動的状態にありました。ローンの帳簿のバランスを取り、新しい金融サービス規制と大規模なPRの反発を積み重ねることで、金融サービスの革新がほぼ完全に停止するまでの最悪な状況に陥ってしまったのです。

一方、金融業界が危機にさらされる中でも、テクノロジーは進歩を続けました。デバイスはよりスマートになり、高速ブロードバンドはより広く普及し、そしてモバイル技術の採用はより広く受け入れられるようになりました。危機にさらされていた金融業界は最先端のテクノロジーと掛けあわせられたことで、劣悪な状況下から抜け出しFinTech(Finance×Technology)という新しい業界が誕生したのです。FinTechのスタートアップ企業は、規制緩和策や旧来のソフトウェア、金融サービスの官僚制にとらわれない柔軟なビジネスモデルを構築し、より効率的でユーザーフレンドリーな体験を顧客に提供しています。

FinTech(フィンテック)業界は成熟しきってしまったのか?

近年、技術専門家やベンチャーキャピタリストが尋ねている質問は「FinTech業界は成熟しきっているのか?」ということです。答えはもちろん「いいえ」です。FinTechの範囲は非常に広く、支払いや貸付、通貨両替、株式市場などに渡り、さらにサブセクターが出現し始めています。 WealthTech、RegTech(規制技術)、およびInsurTech(保険技術)はFinTech業界に含まれていますが、各セクターがそれぞれ高い評価を得ているのです。

確かに、FinTech業界にも課題は存在しています。投資資本を争う新興企業の集まり、PSD2や4MLDなどの金融サービス規制へのプレッシャー、金融商品という限られた資源は、FinTech業界の競争を激化させる可能性があります。しかし、FinTech業界の競争が激化することは必ずしも悪いことではないのです。規制を厳しくすることは、FinTechを正当化すると共に、顧客に対するより大きな保護を意味します。また、競争の激化は、これまで以上に革新的な製品やサービスにつながるはずです。

FinTech(フィンテック)2.0とは?

FinTech 2.0とは、既存の金融の仕組みを破壊し新しい概念によって金融を再構成することです。テクノロジーがFinTechのスタートアップが既存の金融機関との競争を可能にし、銀行などの金融機関にとってFinTech企業は深刻な競争相手となりつつあります。近いうちに、FinTech企業が伝統的な銀行に完全に取って代わり、FinTech2.0により金融が新しく再構成されるでしょう。

実際に、FinTech企業が既存の金融機関にリプレイスされた例は多く存在します。 CurrencyFairとTransferWiseは為替相場に革命をもたらし、市場価格に近い価格を提供しました。MonzoやRevolutは、当初は金融サービスのうちの1つの要素だけを提供していましたが、現在では、実店舗型の小売銀行よりもはるかに競争力があり、ユーザーフレンドリーな製品やサービスを提供しています。

FinTech 2.0のための他の大きなドライバーは仮想通貨です。ブロックチェーン技術は、物理的なお金を完全に廃止し、マネーロンダリングを一掃する可能性を秘めています。

まとめ

FinTech2.0がどのように信頼を築いていくのか、テクノロジーがどのように既存の金融と連携してくのかを標準化することに関してはまだいくつかの方法があります。今後10年で、FinTech2.0が信頼を築くことができ、価値があるという証明することができるならば、消費者は自ずとますます新しい金融サービスツールを試みて採用するでしょう。FinTech業界が成熟しきるまでには、まだまだ長い道のりがあるのです。

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