デジタル変革を成功させる方法とは?|越えるべき障害とデジタル変革の実現手段を徹底解説

一般的に、人々は「変化」があまり好きではありません。変化が好きではないということは、近年のデジタル変革に関しても同様のことが言えます。2017年のHarvey Nash / KPMG CIO調査(IT調査では世界最大規模の調査)においても、「変革への抵抗」がデジタルイノベーションへの最大の障壁として挙げられました。

なぜなら、一般の人々にとっては、多くの場合、デジタル化が「良い」アイデアであるかどうかもわからないのです。デジタル変革が利益を及ぼすだけではなく、技術発展によって仕事が変化したり、奪われたりすることを恐れてさえもいるのです。

本記事では、人々がデジタル変革に抵抗する理由をご紹介します。その上で、どのように人々の抵抗を乗り越え、デジタル変革を成功させるのかについて徹底解説します。

人々がデジタル変革に抵抗する理由とは?

一方的にデジタル化を推し進めると人々は変革に抵抗することは知っていますが、そもそもなぜイノベーションに対して混乱や抵抗が生じてしまうのでしょうか?この質問に答えるために、私たちNashTechはSaturnF1の共同創設者であるAlain Wahaにインタビューをしました。

なぜ人々がデジタルに抵抗するのかについてのAlainの答えは、「キャリアは人々をいつものようなビジネスへと回帰させる」というものでした。つまり、人々の仕事は通常成功体験に基づいて意志決定されるということです。

革新的なデジタル環境では、技術の進歩は指数関数的であるため、継続的に再発明が必要であるとAlainは言います。そして、それは誰もその技術がどこへ向かっているのか正確に知る術はありません。

技術的変化のペースは、個人だけではなく組織にとっても難しい問題です。ゼロからビジネスを始めようとしているのであれば、「失敗」は大企業と比べて、それ程恐ろしいことではないでしょう。

なぜなら、スタートアップ企業も当然のようにビジネスの成功を願っていますが、たとえビジネスが失敗したとしても、ビジネス改善に挑戦するのかビジネスから手を引くのかを選ぶことが出来るからです。

起業家は、悪いアイデアを素早く放棄して、それを学習経験に落とすことによって自信を成長させます。早く失敗し、早く学ぶことは美徳と見なされるのです。一方で、歴史ある組織は長年にわたって機能と製品を蓄積してきました。そのため、大企業にとっては、早く失敗することは非常に愚かなことのように思えてしまうでしょう。

どのようにデジタル変革への障害を乗り越えるのか?

デジタルによって解決される問題は、既存のビジネスプロセスをデジタル化するのではなく、デジタルを活用した新しいビジネスモデルによって、大きく解決されてきています。

1990年代に入り、およそ20年の間、「既存ビジネスプロセスの技術による変革」によって効率化と段階的な改善を行ってきました。今日では、基本的なビジネスモデル自体を破壊するような技術革新が起きているのです。

具体的には、EasyJet、Uber、Airbnb、Amazonなどは既存のビジネスモデルをいくつも変革してきました。つまり、新興企業は既存企業とは根本的に異なる方法で事業を行うことで、既にシェアを確立しているプレーヤーや、場合によってはマーケットリーダーとさえも同様の地位を築くことが出来る可能性を秘めています。

新興企業のデジタルを活用した「新しいビジネスモデル」による実績は、既存の大企業が頼りに出来る確固たるビジネス基盤が整っているとも捉えることが出来ます。もはや歴史ある大企業だからと言って、「進行的な技術に対応できない」などと言っている場合ではないのです。

以下では、大企業がどのようにデジタル変革への人々の抵抗を乗り越えるのかということをAlainの実績を交えてご紹介します。

組織にデジタル変革を推進するためのチームを持つ

Alainが行った施策は、既存の大企業に新しいビジネスモデルを導入することです。Alainが組織したデジタルグループはSaturnF1の子会社という位置付けをされています。子会社化した主な理由は、詳しくは後述しますが、「デジタル変革のための素晴らしいチームを持つため」です。

コアビジネスのメンバーの能力が低くかった訳ではありませんが、デジタルビジネスには異なるスキルが必要であり、短い時間軸では、デジタル能力を向上させることが難しかったということを意味します。

また、新しいデジタルビジネスに積極的に取り組みたいというタイプの人々にとっては、いつも通りの組織文化と技術環境の中で「いつものようにビジネス」をすることに抵抗があっただろうことも子会社化に踏み切った理由の1つです。

「ポートフォリオ的なアプローチ」によりデジタル抵抗を克服する

すべての変革と同様に、変革の成功は変革の影響を受ける人々の「心」にアプローチをすることにかかっています。デジタルにおいても、取り組むべきことは変わりありません。そのため、変革が彼らにどのような影響を与えるのかを説明し、組織全体を変革へと動機付けることが必要になります。

もちろん、組織に変革を浸透させることは簡単なことではありません。デジタル変革をさらに困難にしているのは、デジタル変革の最終的な目標が単純であることは滅多にないということです。

つまり、デジタル変革は、まったく新しい文化とまったく異なる運営方法を組織にもたらすということなのです。したがって、デジタル変革を成功させるには、伝統的な変革のリーダーシップスキルと戦略の他にも、デジタル変革を推進する包括的なアプローチが必要になります。

「包括的なアプローチ」とは、同時に複数のデジタル変革のための施策を試し、どれが機能するかを確認しながら最適化を測るといった、ポートフォリオ的なアプローチのことを意味しています。

デジタル変革を成功させる3つの要素

それでは、デジタル優位性を考慮に入れている歴史ある組織に属している人々にとって、収益性よりもむしろ学習を美徳と考えることは良いことなのでしょうか?Alainの見解では、ただ1つの要素のみに注力するのでは無く、いくつかの「ポートフォリオ」を組んで、アプローチをとるべきだと述べています。つまり、収益性要素、学習要素などを並列に考えた上で、どのような比率でビジネスを推進していくことが組織にとって最適なのかを考えるかということなのです。

デジタルイノベーションの選択と達成を成功させる可能性を高めるために、Alain氏は次の3つの要素が重要であると考えています。

1. チームは素晴らしいか?

組織のデジタルを活用したビジネスの実施方法を検討する際、通常の方法はプロジェクトをアウトソーシングすることです。これによって、適切なスキルを持ち、実績のあるチームで仕事を成し遂げることができますが、本当に組織にとって良いことなのでしょうか?

組織の目的が、デジタル文化を築くことなのであれば、プロジェクトをアウトソーシングすることは、アウトソーシング先のチームだけが知識や経験を蓄積していくだけで、デジタルの知識や経験を重ね、デジタル思考を取り入れたいという目的は果たせていません。

つまり、「ポイントソリューション」とも呼ばれるものを実施するのではなく、組織の外部環境に頼らず、継続的に革新できるチームを社内で構築することが重要なのです。

2. 組織の課題を解決しているか?

確かに、最新のテクノロジーを組織に取り入れることは、組織の競争力を高めることにつながる場合が多いでしょう。しかし、テクノロジーはあくまで「手段」であり、「目的」ではないと言うことです。

つまり、第一に、「解決すべきビジネス上の課題」に目を向けるのです。ここでAlainの具体的な実績をご紹介します。彼は、Salesforceと組織のデータを完全に連携させ、ディーラーやエンドユーザへのオムニチャネルマーケティングを確立しました。

解決策は最終的に、テクノロジーとアジャイルによるものではありましたが、出発点は、「12ヶ月で目標を達成するために、既存の方法では見込みが無い」ということだったのです。

3. 取り組む課題の解決策に関する前例がないか?

答えが「はい」の場合、あなたは自分で解決する価値のあるビジネス上の問題を抱えている可能性があり、失敗のリスクは他の人から収集できる情報によっていくらか軽減することが出来るでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?IT技術の急速な発展により多くの会社は変化を求められています。変化を通して会社の競争力を高めることでしかIT時代を生き抜くことは出来ないのです。私たちNashTechはグローバルの知見を活かして、戦略的なビジネス成長をサポートするために必要なサービスを提供しています。

さらに、私たちはデジタル変革が組織に及ぼすメリットやデジタル技術の導入方法に関してより体系的にまとめた記事もご紹介しています。

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