ITプロジェクトの失敗要因と成功要因とは?

2016年、Harvey Nash / KPMGのCIO調査(世界最大の調査)は、ITプロジェクトの成功率が低下していることを指摘しました。2017年には、最新の調査でプロジェクトのパフォーマンスがより詳細に調査され、プロジェクトの失敗の驚くべき要因が論理的に明らかになりました。

ITプロジェクト失敗の要因は、プロジェクト自体の質や予算によるものではなく、プロジェクトに関わる人々の「所有権の弱さ」によるものだったのです。多くの人は外部影響による変更の量、および予算と人員の確保が困難であることが、ITプロジェクトを複雑にし、失敗させる主な要因であると考えているかもしれません。

ところが、2017年の調査が示唆することは、以下の3つの要因がITプロジェクトを失敗へと導いているということなのです。

  1. 1. 弱い所有権
  2. 2. 楽観的過ぎる期待
  3. 3. 不明瞭な目的

多くの人にとって、ITプロジェクトが失敗する要因のトップ3が全て、あらゆるプロジェクトの冒頭部分で注目されるべき要素であることは驚くべきことでしょう。具体的には、所有権、役割、責任、ビジネス上の利益、およびプロジェクトの目的などはプロジェクト開始文書(PID)に明確に示されます。

承認されたプロジェクト開始文書(PID)がない限り、プロジェクトの開始を支持する組織はほとんどないのです。

本記事では、ITプロジェクトが失敗してしまう要因をより詳細に考察していきます。さらに、失敗要因を明確にした上で、ITプロジェクトを成功へと導く方法も併せてご紹介します。

ITプロジェクトの失敗要因とは?

ITプロジェクトを失敗へと導く1つの根本的な原因は、おそらく内部のプロジェクト変更です。ほとんどのITプロジェクトは外部の変化に取り組むこと(新しいシステムの導入、プロセスの合理化、法令遵守の確保など)には対応していますが、プロジェクトそれ自体が変化したときに何が起こるのかということに十分注意を払っている人はあまりいないのです。

PIDはプロジェクトの変更が発生したときに絶えず修正される「生きた」ドキュメントであるとされています。ところが、実際にはプロジェクトが進行中になると、現場および現在の計画された活動や進行中の活動、および最新の一連のリスクと問題に集中してしまいます。

つまり、外部環境が常に変化するだけでなく、内部プロジェクト環境も変化することを認識することが賢明ということです。以下では、代表的な内部環境の変化による失敗要因を2つ取り上げてご紹介します。

人材の変化への対応

プロジェクトマネージャが入れ替わると混乱を招くことがわかっていますが、それが完全に予想出来ることは滅多に無く、変化による影響が精査されることも滅多にありません。内部プロジェクト環境も変化することを認識することが重要な理由は、引継ぎに必要な追加の努力(通常はこの不測の事態に対する計画の範囲です)とは別に、プロジェクトのリーダーシップの変化が広範囲に及ぶ結果をもたらす可能性があるためです。

おそらく、次期プロジェクトマネージャは前任者ほどプロジェクトを完全に理解していないでしょう。そして、彼らの持っている権威について不明瞭であるために、彼らが適切にチームに影響を与えることの困難に直面する可能性があります。他のすべての利害関係者と同様に、プロジェクトマネージャは通常、開始時に注意深く識別され、プロジェクトの推進、問題の発見、解決をする上で非常に重要となります。

そのため、利害関係者がが変化することは、非常に大きなリスクを伴います。彼らが主要な利害関係者またはスポンサーである場合、適切な代替品を見つけるのが遅れると、その間の重要な決定の伝達が妨げられる可能性があり、その結果としてプロジェクトの成功率が急激に低下します。

重要でない利害関係者の変更でさえも、プロジェクトの成功率を損なう可能性があります。 「単なるユーザー」または「単なるテストチームのメンバー」とみなし、何も心配する必要はないと断言することは、重大な誤判断になる可能性があります。すべてのステークホルダーは極めて重要であり、他のステークホルダーへの影響はもちろんのこと、問題の早期発見と解決には不可欠なものが多くあるのです。

従業員の変化への抵抗

プロジェクトを失敗させる可能性があるもう1つの内部要因は、変更要求への対応です。一般的に、プロジェクトの管理者ではない限り、従業員は変化に抵抗するとされています。プロジェクトの管理者は、より大きな影響力や収益を約束する変更要求を生成することに個人的な興味を持っているかもしれません。

同様に、プロジェクトマネージャーは、プロジェクトを成長させることに個人的な関心を持っているため、プロジェクトを成功へと導くために従業員を巻き込み、変化を受け入れようとする意欲を従業員に持たせることが必要になるでしょう。

 

ITプロジェクトを成功へと導くための方法とは?

新機能の追加などのシステムを変更することは、必要不可欠な場合もあります。そうは言っても、変更要求を処理することは、簡単にはいかないものです。多くの場合、変更の決定には2つの要因があります。

1つ目はシステムの変更が与える財務上の影響、2つ目はその変更を現在のスケジュールに反映できるかどうかという点です。しかし、この狭い焦点だけでは、前もって最善と思われる努力をしたとしても、プロジェクト は往々にして失敗を遂げてしまいます。以下では、プロジェクト の成功に必要不可欠な要素を2つ取り上げてご紹介します。

 

チームメンバー全員の時間管理

第一に、変更要求を検討するのにかかる時間は、通常予定された活動を犠牲に必要があるということを認識することです。プロジェクトマネージャの中には最初から変更依頼のスケジューリングを計画する人もいます。ところが、自分自身やソリューションアーキテクト、およびオプション用紙、見積もり、その他の必要な情報に取り組むための変更要求の検討に関与している従業員の時間までも管理しているのは、ごく一部のプロジェクトマネージャだけです。

 

プロジェクトの恒常的な調整

第二に、メインプロジェクトがプロジェクトの所有権、役割、責任などを詳細に評価しているのと同様に、変更要求においてもそのような取り組みをすることです。プロジェクトが変化に対応するためのものである場合は、その変化が予想されるビジネス上の利益にどのような影響を与えるか、および利害関係者のコミットメントを維持するために必要な追加の取り組みなどについて検討する必要があります。システムの変更に伴い、追加の教育をすれば済むような場合でも、少なくとも元のPIDに対するプロジェクトの再調整は必要不可欠です。当初の目的や戦略のまま、調整をすること無くプロジェクト の変更を行っている場合、プロジェクトは、所有権が弱いこと、楽観的過ぎる期待、不明確な目的のために失敗に終わってしまうでしょう。

要約すると、ビジネス環境だけではなく、プロジェクト環境も絶えず変化します。そのため、プロジェクトのパフォーマンスを向上させるためには、ビジネスとプロジェクト環境の両方に対してビジネスケースの調整が必要です。多くのプロジェクトは複雑さ、予算の問題、必要な能力を獲得することなどの課題に直面していますが、プロジェクトの失敗の要因は所有権の弱さや楽観的すぎる期待や不明瞭な目的にあるのです。

プロジェクト実績の評価は、ワークショップなどの場だけでは無く、特に新しい変更が導入されたときには、定期的かつ計画的に行う必要があります。そうすることで、プロジェクトの調整を恒常的に重ねることができ、プロジェクトを成功へと導く事が出来るようになるでしょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?IT技術の急速な発展により多くの会社は変化を求められています。変化を通して会社の競争力を高めることでしかIT時代を生き抜くことは出来ないのです。私たちNashTechはグローバルの知見を活かして、戦略的なビジネス成長をサポートするために必要なサービスを提供しています。また、本記事を読んで少しでも弊社にご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。プロジェクト変更管理へのNashTechのアプローチと世界中のお客様に展開しているソリューションを通して得た知見を共有させて頂きます。