近年、世界でテクノロジーが急速に進化するとともに、多くの日本企業もITを自社に取り入れる、もしくは自社で新たなテクノロジーを開発して「イノベーション」を起こそうとしています。「イノベーション」はこれまでの顧客体験の常識や企業のあり方を大きく変えうるものです。
しかし、各社がイノベーションを目指す中で失敗する企業がいるのもまた事実です。では、イノベーションを成功させる企業と失敗する企業の違いとは何でしょうか?英国から世界中のイノベーションに携わるNashTechの専門家がITイノベーションを成功させるために必要な5つのステップをご紹介致します。
今更聞けない、「ITイノベーション」とは?
ITイノベーションとは、情報通信により起こされるイノベーションのことをいいます。イノベーションとは革命であり、ビジネスや人々のライフスタイルに革新を起こすことを意味します。つまり、情報通信や最先端テクノロジーによりビジネスやライフスタイルに革新を起こすことをITイノベーションといいます。
「なんでも知っている」よりも「なんでも学んでやる」という言葉は、マイクロソフトCEO、サティア・ナデラ氏によるこのアドバイスは、元々彼の子供たちに向けられたものですが、ビジネス業界でも彼の哲学から学ぶことは多くあるでしょう。
そしてこの一言以上に、ITビジネスにおけるマネジメント改善のために必要な業務を説明できる言葉はありません。通常、既存のシステムや価値観を新しいものに置き換えるか、新しいシステムを組み足すことこそがビジネスの現場におけるITイノベーションであり、それ以上のことはないと考えられてしまいがちです。
しかし実際のところ、ITイノベーションとは段階を踏んで起きるものです。一見、ITイノベーションと言われるものは何かが突発的に変わるように見えるかもしれませんが、実は多くの段階を踏んでいるのです。 ITイノベーションに至るまでの段階においては人力で地道とも言える作業が必要となります。
ITイノベーションを起こす方法とは?
イノベーションを起こす際には、関わる人間の行動、態度をも変化させることが必要であるのです。人を変化させるということはITプログラムを導入すること以上に難しいことです。 最善のIT実践法を全業界に発信する独立機関であるIVI(イノベーション・バリュー・インスティテュート)によると、ITは他の分野全く異なる分野として切り離されてきたため、そのための苦労が続いてきたと発表しています。
通常、IT部門はそれ自体の価値よりも直近のコストに比重が置かれます。しかし、ビジネスにイノベーションを起こす最新のITだからこそ、段階が必要であり、中長期的な観点での投資が必要なのです。 この10年でテクノロジーは急速な勢いで進化を果たしました。今では当たり前の様に使われているスマートフォンなどは10年前には当たり前ではなかったことを皆さんは覚えてらっしゃいますか?
しかし、これは驚くに値することではありません。 なぜなら、現代のITの専門家は常に学び、新しい技術と現代の社会を適応させてきました。テクノロジーは約束された答えなどなく、次から次へと開発され改良され続けるシステムですが、だからこそテクノロジーに対して今まで通用したソリューションや常識などはもう役に立たないのです。
ITイノベーションを成功させる5つのステップと成功事例
テクノロジーの進化とともに、テクノロジーに対する私たちの新しい価値観や考え方の構築も非常に重要となります。 とはいっても、多くのITこそ企業の社長や役員、従業員たちもITビジネスにおけるマネジメントや、ITを活用したビジネスへの最善のアプローチ法を学んでいる段階です。しかし、既にいくつか効果を確認できた方法があります。
マイクロソフトCEOのサティア氏が言うように、それらの方法は「仮説の検証」いう形で立証されていきます。以下、ITイノベーションを成功させるための5つのステップをご紹介致します。
1.イノベーションには時間がかかることを理解する
イノベーションを起こすまでの変化は段階的に現れます。イノベーションを実現させる期間の設定は不可欠でです。また、イノベーション短期ではなく中長期でを実現されることを理解し、プロジェクトの期間を設定することで客観的、現実的な目標設定が可能となります。経営陣にとってこの作業は中長期戦略という位置付けとなります。
イノベーションというと短期的な観点で見てしまい、短期で結果が出なければ中止してしまうこともありますが、簡単ではないからこそイノベーションであることを理解しましょう。
2.イノベーションが現在の業務習慣にも影響することを理解する
自分の提案したイノベーションは現場の人間にどんな影響を及ぼすことが想定されますか?現場の人間のワークフローに対しての効果はどのようなものですか?イノベーションが実現した後にもたらされる変化により誰がどのような動きを再構築しなければならないでしょうか?イノベーションを維持していくために誰と誰がより緊密に動く必要があるでしょうか?
「なぜ?」から始めることの大事さを教えてくれるのはサイモン・シネック(2009年ベストセラー『WHYから始めよ!−インスパイア型リーダーはここが違う』の著者)だけではありません。企業の業務習慣とは組織における心臓と言っても過言ではありません。
そのため、いくら既存の考え方や業務を大幅に改善するイノベーションを提案できたとしても、既存の業務習慣を考慮しないことは周りからの反発を受ける可能性があるだけではなく、ビジネスとしても悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。そのため、イノベーションビジネスだけではなく社員の業務習慣に及ぼす影響を理解することは、イノベーションそのものと同等に重要です。
3,イノベーションにとって「計画」は重要
突発的に起こるイメージの強いイノベーションですが、イノベーションにおいて計画することは非常に大切なことです。まずはイノベーションを実行する上での技術面での改善を計画すること、それから人員や組織、物流面でのイノベーションを計画します。
イノベーションを起こすときには、組織実働部の本質を常に認識していることが大事です。計画は、あたかもそれが呼吸をしている生き物であるかのように扱うべきです。チーム全体が計画の文書化、更新、参照作業に責任を持ち、実効的なプロセスに仕上げなくてはなりません。
もちろん、何が起こるかわからないことも計画する必要性もあり、何が起こるかわからない可能性をできるだけ0に近づけることが計画において重要となります。
4.社内のための研修計画の必要性を理解する
新しいイノベーションを企業に定着させるには、社内での研修は必ず必要となります。スタッフのスキルアップ、またチームが新しく導入されたテクノロジーに順応するためには、どのような手段を取ればよいでしょうか。きっとその人その人に応じて違った手段を取ることになるでしょう。
研修担当者への研修も必要となるかもしれません。研修は内部研修かそれとも外部研修でしょうか。オンライン研修で十分ですか?それともオンライン研修でなくてはならないですか?あるいはもっとインタラクティブに行われるワークショップを開催した方がより効果的でしょうか。
イノベーションを適合させるために、イノベーションを理解し社内で研修を組むことが重要となります。
5.イノベーションの最中に必要となるサポートを事前に準備する
イノベーションはスイッチ一つで起きるものではありません。計画が実施される時、現場の社員は様々なサポートを必要とするでしょう。イノベーションを目ざす段階に社員が要する実際的サポートを、先んじて用意しておくことが肝心です。
これには普段から現場で顔、名前、評判を知られている者が主要人物の役割を担うこととなります。イノベーションは(ビジネスの)神様に委ねるしかないと考える者もいるでしょうが、この際に皆から求められるものは、現実的手段を知る者からの指導なのです。
Nashtechは、企業と誠実なパートナーシップを結び、組織変革プログラムを実現させます。アドバイザリーチームはIVIとの提携により、プログラムを迅速かつ効率的に展開するための識見、知見を備えています。 NashTechの提供する「IT導入効果ファクトシート」は、企業変革プログラムを始めるのに最適なツールです。
このツールにより、企業はIT部門の強み、課題をより深く理解し、IT部門をより有益、重要な部門へと育てるための過程、課題を明確化出来るようになります。
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