デジタルソリューションのアイデアから発売まで、様々な方法がありますが、見落としがちな開発手法として、ノーコード開発が挙げられます。プログラミング言語の予備知識を持たない人でも、ノーコード開発プラットフォームを活用することで、デジタルソリューションを構築することができるようになります。
ノーコード開発を行うのに事前のコーディング知識は必要ありません。そのため、ウェブやモバイルアプリケーションのプロジェクトにおいて、プログラミング言語の予備知識を持たない人材を活用することができます。
ノーコード開発とは?
ノーコード開発とは、従来のコンピュータープログラミングの代わりに、ビジュアルデザインツールと設定を使用してデジタルソリューションを構築できるようにするアプローチです。
ノーコード開発は、従来の開発アプローチと比較して、デジタルトランスフォーメーションの提供を劇的にスピードアップさせることができます。これにより、企業はより早くイノベーションを起こすことができ、通常はプロの開発者を必要とするようなスキルギャップを解消することができるのです。
ノーコード開発は、UI/UXデザイン、AIモデリング、自動化された品質保証のためのツールなど、使いやすくパワフルなツールを提供し、すべての社員がコードを学ばなくても熟練したソフトウェアクリエイターになることを可能にします。
言い換えるとノーコード開発とは、現状の社内インフラのままで既存のワークフローに適合するアプリケーションを社内の誰もが構築できる状態を意味します。
ノーコードプラットフォームの特徴とは?
ノーコードプラットフォームは、従来のソフトウェア開発アプローチを劇的に変化させ、設計や統合の面で柔軟性を高めると同時に、市場投入までの時間を短縮します。
ビジュアルデザインツールからAI・機械学習まで、ノーコード・プラットフォームは、すぐに使える機能をビジネスに提供します。
ビジュアルデザインツール
ドラッグ&ドロップ編集でデジタルソリューションの作成プロセスをスピードアップできるノーコードプラットフォームには、既製のUIコンポーネント、ウィジェット、テンプレートなどの豊富なライブラリが付属しています。
プロの開発者を雇う代わりにノーコードを使えば、技術者でない人でもビジュアル要素を配置し、設定することで簡単にデジタルソリューションを作成することができます。
ワークフローの自動化
ノーコードプラットフォームは、デジタルプロセスを自動化するためのツールを提供します。単一部門内のシンプルなプロセスから、複数の部署やタスク、また社員が関わる複雑なワークフローを自動化することができます。
ノーコードプラットフォームで利用できる自動化機能により、企業は社内プロセスや顧客中心のワークフローをデジタル化することができます。
既製のアプリやコンポーネント
また、ノーコード・プラットフォームは既製の機能も提供しているため、デジタル・ソリューションをゼロから構築する必要がありません。優れたノーコードプラットフォームには、企業がさまざまなデジタル・ソリューションを構築するために使用できる、既製のモジュールが含まれています。
これらのソリューションには、顧客関係管理プラットフォームや、リクエスト管理(休日、経費など)など、日常的なビジネスタスクのためのプラットフォームが含まれます。
AI & 機械学習
加えてノーコード開発プラットフォームは、ユーザーが機械学習モデルを構築し、データ分類、推奨される次のアクション、および言語処理などを自動化できるようにするAI&機械学習ツールを企業に提供します。
また、一部のノーコードプラットフォームでは、企業内の既存データをもとにAIや機械学習の要素を生成することもできます。
ノーコードプラットフォームのメリットとは?
市場投入までの時間の短縮からイノベーションの拡大まで、ノーコード開発アプローチを採用した場合のメリットはいくつもあります。
効率性の向上と市場投入までの時間の短縮
ドラッグ&ドロップ編集などの既製のツールや機能を活用することで、企業は従来の開発プロセスでかかる時間の数分の一でアプリケーションを構築することができます。
開発プロセスを合理化することで、モダンなビジネスアプリケーションの構築から複雑さを排除し、効率性を向上させることができます。これにより、企業はデジタルソリューションを迅速に開発することができるようになるのです。
コスト削減
ノーコード開発は技術的なアプローチを必要としないため、企業は技術者ではない人材を活用することができ、採用コストを削減することができるようになります。
ノーコード開発アプローチでは、ユーザーはモジュールを使ってアプリケーションを構築するため、従来の開発アプローチと比較して必要な時間と労力が大幅に削減されます。結果として企業はより速く、より低コストでアプリケーションを構築することができるのです。
イノベーションの拡大
ノーコード開発を活用すれば、技術者でないユーザーでも必要とするデジタルソリューションを素早く作成することができます。これにより、技術スキルの不足が解消され、プロセスのデジタル化とソフトウェアソリューションの提供を迅速に行うことができるようになります。
これにより企業のIT部門の負担は軽減され、ノーコードで完結できないような、より複雑なプロジェクトに注力することができるようになります。
ノーコードプラットフォームの課題/制限とは?
ノーコード開発方式を採用した場合、課題や制限もいくつかあります。
固定テンプレート
従来の開発者がカスタムソフトウェアを作成する場合、唯一の制限となり得るのが、ハードウェアや母国語の機能です。ノーコード・プラットフォームは、ユーザーにテンプレートを提供します。しかしそのテンプレートの範囲内でしか作業ができないため、できることが限られてしまう可能性があります。
また、ノーコードソリューションの中には、ユーザーインターフェースが制限されているものもあり、企業やビジネスが求める機能を正確に実現できない可能性があります。そのためノーコードプラットフォームを選択する前に、プラットフォーム内で何が実現でき、何が実現できないかを理解しておく必要があります。
拡張性
ビジネスが上手くいき軌道に乗り始めると、多くの場合企業はデジタルソリューションに拡張性を求めるようになります。しかしながら、ほとんどのノーコード開発プラットフォームは簡単に拡張することができません。
ノーコード開発はその名の通りコードが無く、企業はコードを所有できません。そのため、追加料金の支払いをためらったり、ローコードプラットフォームやオーダーメイドソリューションのいずれかに変更するかもしれません。
セキュリティ上の懸念
デジタルソリューションの利用や開発において、セキュリティは最優先事項であると言えます。ノーコード開発プラットフォームを使用する場合、このセキュリティが大きな欠点になる可能性があります。
ユーザー(シチズンデベロッパー)が十分なトレーニングを受けずにノーコードプラットフォームを使用する場合、セキュリティに関する懸念が生じる可能性があります。ユーザーは、二要素認証や「https」ドメインなど、正しいセキュリティプロトコルの設定方法を知らないために、誤ってアプリの安全性を損なってしまうかもしれません。
どのような場合にノーコード開発のアプローチを活用するのか?
ノーコード開発アプローチを活用するメリットや課題について、ご理解いただけたかと思います。企業は予算を犠牲にすることなく、アプリケーションを迅速に構築する必要があります。ノーコード開発のいくつかの課題を考慮すると、このアプローチはすべてのシナリオに適用できるわけではないことがわかります。
ここでは、ノーコード・アプローチが適応できる活用例をいくつか紹介します。
- レポート、ダッシュボード、アナリティクス
- カスタマーポータル
- レガシーモダナイゼーション
- チームコラボレーション&コーディネート
- 小規模自動化
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