本記事では、Azure開発についてご紹介します。IT業界に携わっている方の中には、近年「Azure」という言葉を耳にする機会が多くなった方も少なくないと思います。では、どのようにAzure開発を行うのでしょうか。今回は、Azure開発について、基礎知識や特徴などから開発事例までを紹介させていただきます。 

Microsoft社が提供する「Azure」とは? 

Microsoft社が提供するAzureとは、クラウドプラットフォームサービスです。人工知能やアプリケーションなどをクラウド上で開発、配布、管理運用に必要な機能を統合的にサポートするサービスです。 

Azureは、機能を自由に組み合わせることが出来ます。利用者の中には、ゲーム開発やデータ分析を目的としており、目的が異なれば、使用する機能が異なります。このように利用者の目的・ニーズに合わせ使いたい機能だけを使うことが出来ます。 

そもそも、クラウドサービスとは? 

クラウドサービスとは、従来では手元のコンピュータで利用していたソフトウェアやデータなどのサービスを、ネットを経由して提供するサービスのことです。  

これまで、コンピュータのソフトウェア、データ、ハードウェアなどを、自分で管理し利用していました。しかし、クラウドサービスを活用することで、機材やシステムの購入、管理の手間・時間を削減し業務効率化を測ることが出来ます。 

クラウドサービスであるAzureは、他のどのクラウドプロバイダーよりも多く58のデータセンターがあり、140か国で利用することが出来ます。日本には、東日本と西日本にデータセンターが設置されており、データセンターが近くにあることで、データ転送の遅延を少なくすることが出来ます。 

Azure3つの特徴 

Azureがどのようなサービスなのか分かったところで、Azureについてより詳しく見ていきましょう。ここでは、Azureの詳しい特徴について3つご紹介します。  

システム開発や運用に役立つ機能を備えたクラウドサーバー 

Azureは、システム開発や運用に役立つ機能を備えた2つのクラウドサーバーを提供しています。 

1つ目は、Infrastructure as a Service の略であるIaaSです。IaaSは、ストレージやネットワーク、サーバーなどのインフラやハードウェアまでを提供するサービスです。仮想化レイヤーより下の管理は、クラウドサービスを提供しているMicrosoft社が実施し、仮想マシンの OS より上の管理は、利用者が実施します。 

2つ目は、Platform as a Serviceの略であるPaaSです。PaaSは、システム開発に必要なアプリケーションとOSを繋ぐプログラミング言語、データベース管理システム、WebサーバーOSなどのソフトウェア一式を提供しています。仮想マシンのOSも、クラウドサービスを提供するMicrosoft社が管理します。PaaS で構成できるシステムは、PaaSの機能次第で決まります。 

自由な開発を実現する豊富な機能 

Azureには200を超える機能を備えています。システム開発からデータ管理に至るまで、それぞれに適した機能があります。リリース当初から現在まで、エンジニア・ユーザーの要望に応じて機能のアップグレードと追加を繰り返しており、Azureは豊富な機能から使う機能次第で自由な開発ができると言えます。 

専門知識と技術力が不可欠 

Azureは、豊富な機能を備えています。しかし、機能の豊富さからデータベースやサーバーに関わる専門知識や技術力が不可欠と言えます。Microsoftでは、Azureの知識と技術を証明する認定資格を発行しており、Azureを業務に使用する企業では、これらの認定資格を有したエンジニアだけを募集するほどで、Azureを有益に使用するには、専門知識と技術力が必要です。 

Azure2つのメリット 

Azureについて理解が深まったところで、Azureを使用するメリットを2つ紹介します。 

Microsoftの提供するサービスとの柔軟な連携 

Microsoftでは、SQL Data Warehouse, Microsoft 365などのクラウドサービスや各種サービスを提供しています。すでにMicrosoftが提供するクラウドサービスを利用していたとしても、Azureであれば、データの連携や統合し利用することが出来ます。その他のサービスとの連携では、Azureを迅速かつ柔軟に分析環境の構築を行うことができます。 

Microsoft社の投資対象であり、さらなる拡張性が期待される 

Azureの特徴で、「エンジニア・ユーザーの要望に応じて機能のアップグレードと追加を繰り返している」と解説しました。このように、Microsoft社の投資対象であるAzureは、価値を高めるためにも、足りていない機能や将来的に発案されるである機能を日々追加し、拡張し続けることが期待されます。 

Azure開発で必ず抑えたい機能 

Azureには、豊富な機能があると紹介しました。しかし、その豊富さからどの機能を使えばいいか選びづらい方もいると思います。そのような方のためにも、ここではAzure開発で必ず押さえたい機能をご紹介します。 

アプリケーションの構築・配置の共同開発が可能「Azure DevOps」 

Azure DevOpsは、アプリケーションの構築・配置の共同開発ができるサービスです。利用者はクラウド上・自社サーバー上で作業することができます。Azure DevOpsには、代表的な5つのサービスがあり、それぞれ紹介していきます。 

1.Azure Boards 

共有のボード画面をドラック&ドロップ操作で素早く状況を確認や報告することができます。計画ツールや組込みのスクラムボードを利用し、スタンドアップやスプリント・計画ミーティングを可能とするサービスです。 

2.Azure Repos 

リポジトリ機能で、アプリケーションにおけるコード修正やテスト実施、開発の工程や仕様などの詳しい情報を蓄積保存するサービスです。このサービスを使うことで、多くの人でコード開発などを効率的に行うことができるサービスです。 

3.Azure Test Plans 

テストサポート機能で、テストケースやテストの実行結果を管理することが出来ます。機能テストの手順が気の作成と共有ができ、ズレ防止や手順が気の管理などの手間を改称することが出来ます。 

4.Azure Popelines 

Linux、macOS、Windowsなどで並列して実行することが可能です。多様な言語のソースコードを共通言語へ変換し、一つにまとめ実行ファイルを生成、テスト運用、利用可能な状態にした後、サービスをチームで共有することが出来るサービスです。 

5.Azure Artifacts 

NuGet、npm、Maven、Python の各サイトの情報や要約を管理と共有することが可能です。クラウド上で容量無制限のプログラムソースコードなどの開発、変更、履歴を記録や追跡するための分散型管理システムの情報を収納するデータベースを共有するサービスです。 

Azure上でコードをサーバーレスで実行「Azure Functions」 

Azure Functionsは、Azure上でコードをサーバーレスで実行できるサービスです。プログラムのビルド、アクセス集中時の自動スケーリング、バッチ処理、パフォーマンスの可視化、ログデータの収集など、WebAPIWebサービスを効率的に作ることができるツールを提供するサービスです。 

Azureのストレージサービス「Azure Storage」 

Azure Storageは、Azureのストレージサービスです。機能としては、クラウドにデータを保管することが出来ます。Azure Storageには、様々なストレージサービスを提供しており、保存するデータの種類や目的に応じて使うことが出来ます。また、SaaSのように利用できるため、高度なスケーラビリティ、安全性、持続性、高可用性および冗長性を備えています。 

Azureの仮想マシンサービス「Azure Virtual Machines」 

Azure Virtual MachinesAzureの仮想マシンサービスです。リモートデスクトップ接続やSSHでアクセス可能な仮想のサーバーマシンを提供しています。仮想マシンサービスは、提供されている仮想マシンにデータベース管理システムやWebサーバーなどインストールし、システムを構築します。また、IaaSのように利用でき、仮想化レイヤーより下のソフトウェアやライブラリなどの管理は制約が少ないのですが、仮想マシンの OS より上の管理は、利用者が実施しなければなりません。 

まとめ 

本記事では「Azure開発」の基礎知識などをご紹介させていただきました。Azureは、世界最大のクラウドであり、豊富なサービスがあります。「Azure開発」に興味を持っていただけた方は、一度お試しになってみてはいかがでしょうか。