世界のデジタル変革はテクノロジーの急成長に伴い急拡大しています。しかし、テクノロジーによるデジタル変革が進むとともに、デジタル変革を成功させるために最も大事な「人間」というリソースを企業は見落としかけているように思えます。

本記事では、デジタル化とは何か?という基本的な質問に答え、デジタル化に必要な成功要因を「人間」というリソースを中心にご紹介します。さらに、デジタル化によって起こり得ることも合わせてご紹介します。

本記事が、あなたのデジタルに対する理解の一助になれば幸いです。

世界で急拡大する「デジタル化」とは?

世界ではAI(人工知能)の登場により自動化が進んだり、人間に近い活動も行えるロボットも誕生しています。また、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)の登場は現実世界とデジタル世界をリンクさせ、人間に新たな体験や経験を与えています。つまり、「デジタル化」とは、既存のビジネスやシステムを新しいテクノロジーによって変革させることを指します。

上記のような最新テクノロジーが数年の間で普及し現実とデジタルの世界が互いに混じり合うにつれて、ビジネスにデジタル技術を取り入れることが当たり前のようになっているのです。以前は、ビジネスが「デジタル的である」ことが競争優位性を確立していたかもしれませんが、現在ではそうは行きません。

今ではデジタル的であることはもちろん、クオリティに気を配ることさえ当然のことになっています。 デジタル変革はテクノロジーそのものと同じくらい古いものであるのに、最新技術を取り入れる企業競争として、近年ではバズワードになり大流行しています。

しかしながら、この速いスピードの中でほとんどの企業はデジタル変革に一番大切なもの、「人間」というリソースを忘れてしまっているのです。 新しい技術を導入する際に、目の前の人間の力を軽んじてしまった企業は、良くてもデジタル導入企業止まりでしょう。私たちNashTechは、グローバルのクライアントのデジタル化を推進してきた経験と共に、デジタル化には「人間」というリソースこそが最も重要だと結論づけました。

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デジタル化の成功要因とは?

以下では、「人間」というリソースを中心に、デジタル化に必要な成功要因をご紹介します。

デジタル化を先導する卓越したリーダー

テクノロジーはそれ自身だけでは何も実行することができません。デジタル変革は人によって実行されるものであるのと同時に、慎重に計画や管理をしなければなりません。デジタル改革を実現させるためには、変革を起こすリーダーが必要であり、さらにリーダーはテクノロジー分野において専門的な知識を兼ね備えた上で、決断力を持つ人物であるべきです。

CXOレベル(CEOやCOOなど)の上級管理者が最適でしょう。 しかし、CEOなどの上級管理者は最新のテクノロジーを理解し、業界へどのように適用すると良いか考える時間が限られているということは問題です。 そのため、デジタル改革の先頭に立つ人として適任であると言えるのはCIO(Chief Information Officer)です。しかしながら、CIOは企業経営のためのシステムを管理するため、日々の業務に常に追われています。

技術についていき、企業が市場ニーズに合わせるための変化に使う時間がCIOには無いのです。そのため、近年はCDO(チーフデジタルオフィサー)が台頭しています。デジタル変革の専門家の役割は、デジタル変革をスタート指せる時に非常に重要です。

しかし、デジタルが仕事でもプライベートでも重要な役割を担うにつれ、CDOがCIOの役割と同化していくでしょう。 最終的には、デジタル変革はCIOによって行うことになります。そして、CIOを筆頭としたチーム全員がデジタル変革における同じゴールに向かって積極的に関与すると成功する可能性は大幅に高くなります。

デジタル化に対する従業員の理解

市場だけでなく社内や社会で承認されずに実現しなかった素晴らしいアイデアが世界には多くある一方で、テクノロジーは非常に競合の多い市場となっております。そして、新しいテクノロジーやプロセスを導入するということはすぐう承認されるものではなくデジタル化においても、社内だけではなく社会の規制などにより大きな壁にぶつかることは少なくありません。

そのため、デジタル変革を行う際は周囲の理解を得ることが必要となるのです。まずは企業内で理解を得る必要があります。 そのため、デジタル変革を実現させるためには、まずは企業内であらゆるレベルで正しい戦略が練られブラッシュアップされたプランが必要です。

そして、プランを立てる上で一番大切なことは、デジタル変革のための誰が適任者なのかということを認識することです。 しかしながら、同時に重要なのは、テクノロジーによって、何が可能となるかという展望を示すことです。それは、低価値のタスクを自動化させることで、人間によって出来る高価値の業務はこのようなものだ、というように具体的なメッセージでなければなりません。

デジタル化の専門家への投資

無数の変数を要因とする戦略を開発するのは複雑な業務であり、安易に考えるべきではありません。御社のデジタル変革をスムーズに遂行できる専門家が必要となります。 アプリケーションの現代化、ファイナンシャルプランニング、実装、クラウドへの移行は、全てデジタル化における重要な検討事項です。

デジタル化によって起こり得ることとは?

デジタル化には、新しいプロセスとスキル、そして企業文化の見直しが必要です。ビジネスが製品を提供する方法は、デジタル化の影響によって変わります。かつて製品を販売していた企業は、自身のコアビジネス戦略を再評価し、コアビジネスをサービス提供に変えました。

この例としては、自動車会社が輸送サービスプロバイダーに変身したり、以前にソフトウェアパッケージを販売して現在サブスクリプションを提供している会社があります。結果として、企業の収益の流れを拡大し、継続的な顧客エンゲージメントのチャネルを開いているのです。

デジタル化によって引き起こされる企業文化の変化は、個々の企業の存在そのものを評価する可能性があります。取締役会や経営幹部は、会社の使命や産業上の位置付け、およびそのビジネスモデルの持続可能性に関する既存の仮定すべてに再度疑問を投げかける必要があります。

継続的なコラボレーションと、株主、取締役会、役員、そして「現場の」従業員との間の継続的な会話が、デジタル化の成功には不可欠です。デジタルの理解と能力は会社全体で必要とされ、会社の企業文化によって支えられなければなりません。したがって、どの企業のチームにおいても、変革を推進し、その変化から生まれた新しい企業文化に身を置く必要があります。

デジタル化には時間とコストが掛かり、社内だけで達成するのは困難です。そのため、多くの企業では第三者からコンサルタントまたはガイダンスを受けることで、この負担を軽減することでデジタル化に成功しています。

 

まとめ

デジタル化はかつてない速度で行われています。ビジネスモデル、経営理論、デザインはすべて新しい技術によって再定義されているのです。戦略的パートナーシップを通じた企業レベルでの学習は、この変化の時代に企業がどのように成長しているかということに結びついてきます。さらに、デジタル化はグローバルで大きな変化を与えており、デジタル技術は指数関数的に発展しているのです。そのため、デジタル技術の進歩があなたのビジネスにどのような影響を及ぼすのかを調査することが組織には求められています。

また、デジタル化によるメリットや導入方法に関する記事や、日本企業がなぜデジタル化に遅れを取っているのかということにフォーカスした記事もご紹介しています。

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ロナン・グレイ氏はNash Techアイルランドのアドバイザリーサービス担当上級副社長であり、アドバイザリー、ソフトウェア開発、BPOの専門家で、グローバル企業がそれぞれのビジネスニーズを満たす正しい技術ソリューションを実行するためのサポートをしています。