UiPathとはどんなものなのか解説します。面倒な業務によって時間を取られてしまう経験ありませんか?こういった問題を解決するのがRPAでの業務自動化です。そんなRPAの中でも多くのアプリに対応して使いやすい「UiPath」について開発事例とともに解説します。
RPAを身近な物へ!UiPathとは?
UiPathとは、UiPath社が提供するRPAツールです。コンピューター上で行われる業務プロセスを人の代わりに自動化します。
一昔前まではRPAと言えば、専門性がなければ手が出せない領域だと多くの企業で思われていました。しかし、現在ではUiPathといったRPAツールが普及したことにより、ある程度プログラミング知識を兼ね備えていれば、企業の要望に合わせた柔軟なRPAツールを開発することができるようになりました。
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公式はこちら→UiPath株式会社製品情報
UiPathでできること
UiPathでは、Windows PCの操作を自動化することができ、UiPathを導入して業務を自動化することで、ヒューマンエラーの減少や生産性の向上が期待できます。
なお、UiPathが自動化できることは、基本的に他のRPAツールと変わりません。
UiPath3つの特徴
わかりやすく、簡単に使える開発ツール
UiPathでは、ドラッグ&ドロップで動作を指定していき、コンピューター上で行われる業務プロセスを自動化するロボットを開発していきます。
複雑な処理でない限りコーディングの必要がなく、プログラミング知識がなくともドラッグ&ドロップ操作で簡単にロボットを作る事ができます。直感的な操作でロボットを開発できることから、説明書を熟読する必要がありません。
また、実際の操作を記録する機能も備わっており、他のRPAツールに比べてとても使いやすいといえます。
高い柔軟性を持つ
ブラウザーでの操作以外にも、WindowsアプリやMicrosoft Officeの操作なども安定して自動で稼働させることができます。画像から情報を読み取る画像スクレイピング機能や、OCRでの読み取り機能を備えています。
その他にも、選択できるアクティビティの種類が400以上存在し、SAPやSalesforceなどの業務ツール、ホストコンピューターのターミナルで動作するツールなど、幅広い環境での自動化に対応することができます。
社内のロボットを一括で管理できる
PROを導入すると、複数のロボットの労働力を用いた作業やプロジェクトがどんどんと増えていきます。しかし、稼働しているロボットが増えることは徐々にロボットの管理や把握がしきれなくなってしまいます。管理者がいないのに作業を続ける野良ロボットは、コンプライアンス、セキュリティの両面からのリスクが大きくなり、社内外問わず、大きな問題を起こしてしまう可能性があります。
そんな野良ロボットは、ロボット全体を制御できる管理ツールを利用し解決する事ができ、管理ツールである「UiPath Orchestrator」を導入することで、社内で動作するロボットをネットワーク経由で一元管理し、稼働中のロボットの状況を把握、ログの記録・分析などをすることができます。
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UiPath社の提供するRPA開発製品
UiPath Studio(スタジオ)
UiPath Studioは、自動化ロボットを開発するためのツールです。
自動化ロボットをプログラミングの知識がなくとも直感的な操作で作業フローを記録し作成する事ができます。アプリケーションの起動・終了や、ファイルの読み込み・クリックなどの様々なアクティビティをドラッグ&ドロップで指定しつなぎ合わせることで、アプリケーションの作業フローを作成することができます。
ユーザー操作を記録するレコード機能を有しており、ユーザーが実際に操作した一連の流れを記憶させ、ロボットに同じ動きを操作させることもできます。
このような自動化ロボットを開発する環境のことを「UiPath Studio」といいます。
UiPath StudioX(スタジオエックス)
UiPath StudioXは、自動化ロボット開発ツールであるUiPath Studioのノンプログラマー向けの新バージョンです。
自動化できるアプリケーションをExcel, Outlook, Wordといったよく使われる機能だけに絞ることで、プログラミング知識が全くない人でも自動化ロボットを作成することが可能になりました。
プログラム作業が非常に簡単で、ありとあらゆる人が自身でRPA開発を行うことができる自動化ロボット開発ツールとなっています。
UiPath StudioとUiPath StudioXの違い(比較)
大きな違いとして挙げられるのが、「変数の必要性」です。
UiPath Studioにはある程度の変数を必要つする場面があるのに対し、UiPath StudioXにはどのような場面であっても変数を必要としません。
基本的には、UiPath StudioもUiPath StudioXも構造は変わりません。UiPath StudioXの方がシンプルでわかりやすい分、利用できるアクティビティが少なくなっています。
初心者におすすめなのは?
初心者の方におすすめなのは間違いなく「UiPath StudioX」です。UiPath Studioもプログラミングの知識がなくても使うことはできます。しかし、複雑な処理にはコーディングが必要であり、使うハードルが低いとは言い切れません。
UiPath StudioXであれば、プログラミングの知識が全くなくても、オフィスレベルの一般知識があれば使いこなせすことができるツールになっています。
Orchestratorとは(特徴・できること・導入の目安)
Uipath Orchestratorは、全社的なRPA環境を少ない工程で安全、安定的に運用するためのツールです。
主な特徴としては「スケジュール管理」「統合運用管理」「内部統制」「セキュリティ対策」「柔軟な拡張性」。できることは「ロボット構成管理」「シナリオ配布管理」「シナリオ実行管理」「運用モニタリング」「セキュリティ/ガバナンス管理」「拡張管理」などが挙げられます。
Uipath Orchestratorを導入すべきタイミングとしては、「ロボットが10台を超える」もしくは「シナリオ数が20を超える」などを目安にするのが良いと思います。開発作業や運用作業は、シナリオの数、シナリオの実行回数・実行時間、ロボットの台数に比例して増加していくので、その中でも台数とシナリオ数を目安にするのがわかりやすくおすすめです。
UiPathのはじめ方の参考
Automation Cloudとは
Uipath Automation Cloudとは、その名の通り、Uipath社が提供するクラウドサービスです。Uipath Orchestratorで行ってきたRPAの管理や監視、最適化をクラウド上でより手軽に行うことができます。その他の特徴としては、組織全体にユーザー、ライセンス、ロボットの管理を提供してすることができます。
また、ハードウェア費などがかからず、必要なものに対してだけ支払うSaaS形になっているため、必要に応じて機能を拡張することなどができます。
UiPathのRPA実行ツール
UiPathのRPA実行ツールには3つのツールがあります。
1つ目は、Attended robotです。Attended robotは、ユーザーがログインして使うことを前提としたロボットツールです。従業員のデスクトップにインストールすることで、従業員の操作により動くことができます。
2つ目は、Unattended robotです。 Unattended robotは、従業員の操作を必要とせずサーバー内で作動するロボットツールです。デバイスと紐づくことによってユーザーがログインしていなくとも稼働することから、Attendedよりも値段が高くなっています。
3つ目はTest robotです。Test robotは、ソフトウェアの品質確認テストの自動化を支援するツールです。メンテナンスにかかる費用の削減やうまく動作していないロボットを検知し、修正する事ができます。
UiPathライセンスの種類
UiPathは、開発環境と実行ロボットの組み合わせによって、ライセンス形態分かれています。ここでは数あるライセンス形態の中でも、特に初心者におすすめのライセンス形態をご紹介します。
RPA Developer (RPA開発者向け)
RPA Developerは、RPAワークフローの開発を行うRPA開発者向けのライセンスです。RPA Developerには、RPA開発ツールであるStudioとStudioX、RPA実行ツールであるAttended Robot 、そしてRPA協働ツールであるAction Centerが含まれています。
Citizen Developer (現場の方向け)
Citizen Developerはプログラミングスキルがない現場の方に向けたライセンスです。RPA Developerとは異なり、Studioが製品構成に含まれていません。そのため、値段も安くなっています。
UiPathを使う上で考慮しなければいない点
手作業の方が効率的な場合がある
数十行の転記作業などの簡単な作業であれば、作業時間よりもRPAでロボットを作成している時間の方がかかってしまう場合があります。ロボットの作成は1発で成功するとは限りません。エラーが発生すれば検証と修正が必要になります。合計の作成時間を換算すると、実は手作業の方が早く効率的な場合があります。
外部環境の変化に弱い
UiPathには、「画面レコーディング」というブラウザ上の画面で操作を定義することができます。サイト構造が永久に変わることがなければ問題はありません。しかし、サイトのレイアウトが変更されてしまうとうまくロボットが作動しなくなってしまいます。
そのため、定期的にメンテナンスを行い画面のインターフェースの変更に合わせる必要があります。
NashTechのUI Path最新開発事例
6万以上のクライアントを抱える英国企業の「サイトセットアップ業務の自動化」事例

課題
お客様からのリクエストを元に、サイトを作成、管理者のアクセス権を構築して配布するというend-to-endの業務プロセスを人的リソースを活用し行っていました。しかし、人的リソースは限られており、6万件以上の対応となるとピーク時の過度な業務量やヒューマンエラーに課題を感じていました。
ソリューション
膨大な処理量にも耐え自動化することが可能なUiPathボットを開発し、細分化した業務フローを元に定義された作業内容とスケジュールに基づいてプロセスを実行するように設定しました。お客様からの依頼があった時点でボットが動き、サイト作成から完了通知までを実行し、当初1回のリクエストに40分かかっていたところ、15分の自動作業に短縮することを実現しました。
売上高30億円以上の世界的ソフトウェア・ソリューション・プロバイダーの「貨物マスターデータのコンプライアンスチェック自動化」事例

課題
世界的な物流業者に提供するソフトウェアソリューションを維持するために、定義されたコンプライアンス規範に適合する国際的な貨物データセット監査を自動化する必要がありました。
ソリューション
構造化されていないデータのパラメーターをサポートするために、チームメンバーの支援を利用する自動化ソリューションの設計を調整しました。月間平均4.5万件の処理項目に対して、労働集約的な月間作業時間を80%削減しました。
まとめ
UiPathは、直感的な操作でロボットを作成することができます。サポートも充実しており、中小企業から大企業までそれぞれに合わせた規模で取り入れることが可能です。今の業務をRPAで自動化し改善してみてはいかがでしょうか。