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人的資源(HR)管理の自動化までの道のり – データ活用で採用率を60%改善

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現在、世界はこれまでにないくらい急速、且つ大胆な変化を遂げています。前例のない世界的な状況を触媒として、業界に関わらず、組織は運営方法を変革することを求められています。そしてその変革は、人的資源(以下HR)管理も例に漏れません。HRはデジタルにシフトし、HR部門の役割はこれまでになく変化しています。

テクノロジーの進化に伴う、HR管理の変化

数年前まで、HRは、給与、福利厚生管理、人材育成、および従業員の不満への対処を担当する部門と見なされていました。しかし今では、組織はHRの力や、HRが会社にもたらすことができる有形資産価値について認識し始めています。 HRは戦略的なビジネス機能や、マネージャーがビジネスの目標を立て、目標達成のための計画を実現することに役立つ推進係と見なされはじめているのです。

新しいテクノロジー、特に自動化と認識技術の出現により、多くのアクティビティやタスクを変換・自動化することで、会社に付加価値をもたらすことが可能です。

自動化によるHR管理の再考

自動化、および認識技術はHR管理機能の多くの側面に、縦横に適用することができます。 例として、人材の確保と管理について考えてみましょう。

人材市場は劇的に変化し、非常にダイナミックになっており、企業はより順応的、且つ積極的にならなければいけません。

掲示板に未解決の仕事をリスト化し、多くのファイルを保存し、候補者の紙の記録を保持する時代は終わりました。現在、社内外のリアルタイムの人材市場を理解し、そのデータが現在の状態と将来の傾向として何を示しているのか解釈することは、組織にとって必要不可欠になっています。

Harvey Nash ポーランドマネージャーDamian氏の洞察

「我々は、日々急速に変化する世界に住んでおり、テクノロジーとデータの力を無視していてはその変化のペースに追いつくことが出来なくなります。データは、ビジネスとそのプロセスを変革するための重要な要素の1つです。候補者を特定、アプローチして組織に引き入れるために、組織は採用プラットフォームへの投資を頻繁に行っています。そのプラットフォームとは、リアルタイムのデータアクセスを保証し、候補者プロファイルから浮上するデータの、まとまりのある管理を可能にするものです。

過去の傾向を確認すると、データは課題の理解やパターンの調査、そして新しいソリューションが必要とされている手段を特定することに役立ちます。

将来を見据えると、データはさまざまな角度からビジネスコンテキストを分析し、今後の運用可能性を予測し、時代を先駆けるのに役立つ重要な役割も果たします。」

HRの分野におけるテクノロジーの適用に関する洞察を共有したHarvey Nash Polandの国内マネージャーであるDamian Uzarek氏は次のように述べています。

これが自動化テクノロジーを活用して人材市場の調整や管理を支援し、複数の革新的な活動を提供できる部分です。

視点を変えた人材確保、データ活用で採用率を60%改善

仕事の判断基準に一致する完璧な候補者を探すのに何週間も費やした経験はありませんか?自動化テクノロジーにより、組織はさまざまな視点でタレントプールを分析し、何が利用可能なのか、洞察を得ることができます。

例えば、デザイナーを探していて、事前に定義されたすべてのスキルセットを満たし、すべての条件ボックスにチェックマークを付けることができる理想的な候補者を、何ヶ月もかけて探しても見つけられなかった時のことを想像してみてください。

これこそ自動化が魔法のように機能するポイントなのです。専用のアルゴリズムを使用すると、候補者をクラス分けして、探している役割に一致するように、スキルセットが最も近い、またはスキルアップの可能性が最も高い候補者を提案することができます。

例えば、マーケティングのバックグラウンドを持っていて芸術に興味があり、創造性を強調する仲間からのフィードバックを持ち合わせている人が示唆されたとしましょう。この人物は、マーケティング担当者として働きながら、創造的なマインドを持ち、デザイン分野での経験があるため、面接に合格する確率が40%高くなり、試用期間に合格する可能性が60%高くなる可能性があります。

新たなレベルへ引き上がる人材管理

人材確保はHRの過程の初期段階にありますが、人材管理はすべての過程のおいて必要な機能です。従業員を理解し、彼らのエンゲージメントを認識し、大企業と中小企業の両方の従業員の定着に焦点を当てるには、多大な努力が必要です。

テクノロジーを使用することで、従業員の実務経験、トレーニングと能力開発のロードマップ、および健康状態を理解し、リアルタイムで追跡することができます。これは、流動的な機会や潜在的な従業員を増やすための追加投資など、リソース管理の計画という観点でHRをサポートします。

次のステップとして、AIアプリケーションを使用すれば、従業員が不足しているスキルや、スタッフのモチベーションに影響を与える市場の最近の話題を調査することも可能です。そしてこの機能は、学習、開発、保持プログラムの提供に役立ちます。

更に、そのアルゴリズムは、滞留期間を延長できる要因を評価・分析することにより、組織が優秀な従業員を保持するのにも役立つのです。

一般的に陥りがちな落とし穴の回避

何においても言えることですが、テクノロジーがHR領域にもたらす利点は膨大な一方で、組織が変革の過程で頻繁に直面する落とし穴が存在します。

研究開発の旅

HR管理はまさに旅のようなものであり、AI自動化ソリューションの適用も同様です。すべての戦略的データの要望に、即座に対応できる事前定義された製品はありません。市場をリードするプラットフォームのいくつかを実装することは、プロセスパフォーマンスを標準化および最適化する方法です。

しかし、ビジネスにおけるデータの機会を活用する方法については、完全には理解されていない可能性があります。ソリューションを組織の既存の生態系に統合するには、機械学習やモデリングの研究開発が必要であることがほとんどです。市場の大手企業によって提供される事前定義されたモデルがありますが、多くの場合、ベースラインのモデルであり、多くのレガシーアプリケーションのデータフットプリントや国固有のものを考慮していません。

選択した人材(HR)データのフットプリントを再考するには、調査、プロトタイプの作成、結論の取得が必要であり、更にそれらを反映し、企業が積極的かつ競争力のある意思決定を行うのに本当に役立つモデルを考え出す必要があります。

機械と人間の心の結合

機械学習はアルゴリズムの学習とトレーニングがすべてとはいえ、人間の介入は依然として重要な成功要因の1つです。モデルがどれほど優れていても、結局のところ、パフォーマンスをサポートし、自動化によって提供される洞察を解釈するためには、人の心や判断が必要になります。人間の力を介入させなかった場合、物事がうまく軌道に乗らない可能性があります。

展開されたシステムが期待どおりに機能せず、期待していた結果が得られなかったため、Amazonは実験的な自動採用ツールを廃止しなければなりませんでした。ツールがソフトウェア開発および技術職の仕事の応募者を評価し、候補者リストに載せている時にバイアスが発生しました。これは、過去10年間に提出された履歴書のパターンを研究することにより、モデルがトレーニングされたためです。パターンの研究から、テクノロジー業界全体において男性優位性が強く、主に男性のプロファイルをカバーする結果となったのです。このツールは、女性の候補者を無視し、男性の応募者が好ましい候補者として認識されるように自己訓練されてしまいました。

そのため、リアルタイムデータで正確な傾向分析と正しい初回品質を取得するには、生成されたマシンの結果をクロスチェックしてデータを管理する必要があります。

「HR管理の旅には、テクノロジーの力によって革命を起こすことができる多くのプロセスまたはステップがあり、その可能性は無限大です。しかし結局のところ、HR管理は「人的」要素という原動力や焦点なしでは存在し得ません。組織内の人々は、事実分析と個人的な経験を統合して意思決定を行い、不明確な状況を認識し、何よりも理解と共感を持って耳を傾ける力を利用することで、進化を遂げる可能性があるのです。」

Harvey Nash PolandのカントリーマネージャーであるDamian Uzarek氏は、自身の考えを次のように共有しました。

「一度限り」で終わらせない

自動化・認識技術は明確な機能を備えた単純なものではありません。初めから正しいとは限らないのです。何年もの間期待していた通りにすぐに機能するような、購入した自転車とは違います。新しい技術を利用する際、企業は状況の変化を確実に理解するために、時間とデータの継続的な流れに専念する必要があります。これらの変化を無視すると、不完全なデータセットによる不整合が発生する可能性があります。そしてこれにより、戦術的および戦略的意思決定のサポートに、バイアスや不正確な結果が発生します。

NashTechでは、クライアントと綿密に連携し、クライアントの変革過程を通して最初から最後までサポートを行います。自動化を適用できる機会の特定から始まり、画期的なソリューションの提供までサポートしています。我々のHR機能の付加価値の創造や変革のサポートについてより詳しく知りたい場合は、お問い合わせください

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