NashTech

2023年に注目すべき4つの技術トレンド

【2023年】英国IT企業NashTechのリーダー抜粋、注目テクノロジートレンド4選

4 Tech trends to watch in 2023

この2年間で、テクノロジー業界は驚くほど大きな変化を経験しました。パンデミックにより、世界各地でロックダウンが相次ぎ、急速にテレワークが推進されたことも一つの要因に挙げられるでしょう。そして、世界中の人々や組織がテレワークのような新しい働き方や生活様式を採用する中で、デジタル技術の成長も急激に促されたことは想像に易いことです。

そして、常に最新技術が現れてくる現代の中で、特に企業においては上記のパンデミック中のような臨機応変な対応を求められています。2023年、そしてこの先続く時代を見据えたときに、企業が競争力を維持するために今知っておくべきITトレンドは何でしょうか?今回は最先端技術を扱う英国IT企業、NashTechのリーダーたちに2023年に企業が注目すべきテクノロジートレンドのトップ4について伺いました。

【依然注目必至】データとアナリティクス

パンデミックによって多くの組織のリーダーが、管理体制や業務フローなどさまざまな「決断」を迅速に行うことを求められました。そして、複雑な意思決定を行う際に重要視されることはデータとアナリティクスです。多くの企業が、市場戦略や将来の成長に関する重要な意思決定をデータとアナリティクスを用いて行っています。 

企業が急速に変化する市場環境に直面し続ける中で、データ分析を基軸にした意思決定とイノベーションを推進することは、これまで以上に重要な課題となっています。

根拠に基づいたデータを活用した意思決定は、組織の本来の能力を最大限に発揮させるでしょう。しかしながら現実では、多くの企業がデータの整理や管理、分析に苦労しており、適切なデータの読み取りや分析、そしてそれを意思決定につなげるということができていないのが現状です。 

NashTechのテクノロジーアドバイザリー部門の責任者であるGeorge Lynch氏は、「企業は世の中にある不特定多数のデータにアクセスできるとはいえ、その中の多くの企業はそのデータをどう活用すれば良いか、また、それらを基に、どう意思決定するべきかについて正しく理解できていない可能性があります。」と懸念しています。

データをどう収集してどう活かすのか? 
  • データ戦略を明確にする:データ戦略を持つことは、顧客のニーズを確実に把握し、ビジネスを成長させるための適切な意思決定を行うための基礎的なステップとなります。しかし、データを闇雲に収集するだけでは業務において何かを最適化したり改善したりすることはできません。データを自分たちに必要な評価指針に変えるための戦略が必要なのです。データ戦略には一般的に以下のようなものがあります:ビジネス戦略との整合性、現在のデータ能力成熟度評価、目標データ運用モデル、目標データアーキテクチャ(どういったデータをどのように取得・保持・活用するかの青写真)と技術決定、データガバナンスポリシー、ロードマップ、変更管理へのアプローチ
  • データを適切に管理・維持する:組織におけるデータの効果的な管理は、データ保護規制などのコンプライアンス規制の厳重化や、膨大な量のデータ生成に直面する中で、その重要性を増しています。

より膨大な量のデータを扱うようになることや、規制法に基づいたデータの管理を求められることは、これからますます企業に求められることだと言えるでしょう。。データ量に関する調査で言えば、 独立系調査会社であるInternational Data Corporation (IDC) は、2025年までに生成されるデータ量が10倍になると予測しています。 

組織のデータをどのように収集し、整理し、保護し、保存するか。これらの内容をまとめた根本的なデータ管理計画を持つことは、膨大な量の情報を自由にかつ有効に活用するために不可欠です。NashTechのUKサービスの責任者であるJon Last氏は、「自分が持っているデータを把握していないのであれば、データを意味のある情報として活用する能力は低下しています。(目的を持ったデータ管理ができていないため)」と結論づけています。 

  • データアーキテクチャの近代化:データはその価値から、新しいビジネス通貨とまで言われている一方で、多くの場合データを扱うインフラは古くて非効率的なテクノロジーだということは問題でしょう。組織がデータを十分に収集して活用し切ることが難しいという現状になっているのです。前述した通り、膨大な量のデータに囲まれて、適切な意思決定をしていかなければいけない企業組織にとって、最新のテクノロジー(データウェアハウス、データメッシュ、データレイクなど)を活用した最新のデータアーキテクチャが必ず求められます。それには従事するツールやプロセス、人材に及ぶまで幅広く体制を更新する必要があります。

【急速に成長】RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

パンデミックは、世界のサプライチェーンと人材資源に多大な混乱を引き起こしました。 

これに対して、企業はビジネスプロセス業務の回復力を高めながら混乱に対処するため、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)にますます注目するようになっています。 

企業が業務プロセスをアウトソーシングする際には一般的に、適宜必要に応じてツールの一部を利用することが主流でしたが、最近ではRPAによってこれらのプロセスが自動化されつつあります。実際、ITリーダーの98%は、ビジネスプロセスの自動化は極めて重要であると考えています。 

RPAは、業務の効率化と精度の向上を実現させるだけでなく、従来はやむを得ずに必要となってきた反復的な作業を行います。NashTechのプリセールスディレクターであるPaul Hunt氏は、「RPAの導入によって、人々はただ懸命に働くのではなく、より賢く働くことができるようになります。」と確信を持っています。

 

RPAによって、企業はどのように効率化を図ることができるのか?  

  • RPA戦略を構築する:RPAやインテリジェント・オートメーション(IA:RPAとAI(人工知能)を組み合わせた技術を構築する際に、組織が直面する最大の課題管理体制の持続性と成長性をどのように担保するのかということでしょう。IAを開始する前に、単純に効率したい業務部分よりもう一歩広範なビジネス達成目標に沿ったオートメーション戦略とビジョンが必要とされます。戦略では、最終目標 (業務の継続性の向上、従業員の能力向上など)、目標を達成するために必要なもの、および影響を受ける可能性のある個々の役割、をそれぞれ明確にする必要があります。Paul Hunt氏は、「いつもやっていることを自動化するだけでは足りません。この機会に、自分は正しいことをしているのだろうかと考えてみてください。」と、効率化の目的と手段を明確にしないままRPAやIA導入を進めてしまう危険性に対して警鐘を鳴らします。 
  • RPAとAIを組み合わせる:AIでRPAを補完するとはどう言うことでしょうか。RPAの利用だけでは人間の手による処理を完全になくすことはできませんでした。IAでは、RPAにAIを導入することで、単純作業だけでなく、高度な判断や意思決定を含めて、あらゆる業務の自動化することができるのです。従来、RPA単体ではそれを動作させるために、事前に具体的な業務内容の指示やデータ入力などが必要でした。しかし、IAではAIが組み込まれているため、自動的に最適な手順を特定して自動化できる部分を提案することができるのです。チャットでの会話や音声ツール、ビデオ映像などの非構造的なデータをAIで処理させて、自動化のための分析を行います。つまり、システム自身が能動的に学習して仮説を立てるわけです。このRPAとAIを組み合わせることで、生産性の向上、コストの削減、および精度の向上などといった、非常に大きな価値も提供することが可能になることはご想像できましたでしょうか。。 
  • RPA本来の価値を理解する:RPAによって得られる最終的な価値については明確に理解しなければなりません。まず、元来の労働集約的な、決まった体制で反復的に行われてきたワークフローをリストアップすることから始めます。そして、導入の容易さ、顧客への影響、戦略的適合性など、さまざまな観点からそのワークフロー自動化の価値を見つめることが重要です。リソースを投入する前に、組織全体で目指す利益が達成可能であるのかどうかを検証する必要があるということです。成功した組織の多くは、組織全体から見て価値の低い活動を価値の高い活動へと投資をシフトさせることができています。

【2023年が最注目】 DX(デジタルトランスフォーメーション)

パンデミックにより、多くの組織がリモート環境への移行を進めました。そのため、DXへの取り組みがより一層加速したことは皆さんも感じているでしょう。AI、IoT、VR/AR、クラウドコンピューティング、ブロックチェーンなどのテクノロジーの革新と発展が続き、2023年には特にデジタルトランスフォーメーションのペースは加速する一方だと予想されます。 
それだけ企業は将来を見越した技術投資を行っていることになります。今後もDX化を進める企業が乱立する中で、遅れを取らないために組織は迅速に動く必要があります。一方で、多くの企業がDX支援に必要な資本や人材が整っていない状況にあることが現状です。実際にKPMGが実施した調査によると、デジタル トランスフォーメーションを加速させる上での最大の課題は、技術関連の意思決定を迅速に行うことの難しさでした。そしてやはり、その要因としては技術的なスキルや能力の不足が挙げられています。
 
 企業がデジタルトランスフォーメーションを成功させるためにすべきこととは?
  • 技術スタックを考える:企業が迅速に行動することができない理由は、ほとんどの場合既存の技術スタックの実装方法が原因です。DX化したい、該当する部分のアーキテクチャとテクノロジーを特定することは、デジタルトランスフォーメーション戦略を立案する上で最も重要なステップの1つです。過去の技術や仕組みで動いている、いわゆる「レガシーシステム」の上に新しい革新的なデジタルプロセスを構築することは、イメージとしては不安定な基礎の上に新しい家を建てるようなものです。DX化に着手する前に、時間と労力をかけてでも下準備として自社のテクノロジーを評価し、最新化することが必要になります。 
  • 適切な人材を配置する:デジタルトランスフォーメーションの成功は、テクノロジーのツールだけでなく、人材も重要な要素です。DXにおいては多くの場合、テクノロジーにフォーカスした業務の変化が変革における最も複雑な要素と考えられがちなのですが、実際はまったく逆です。DXを促進し、新しいオペレーティングモデルをサポートするためには、従業員や人材管理をどのように進化させることができるかが重要です。アジャイルマインドセットを取り入れる:RPAやIAの導入によって組織体制に変革が起こるときには、それまでに体制化されてある程度うまくいっていた構造が壊れやすくなり、新しいチャンスに適応できなくなることがあります。「アジャイル」とは、不確実性が大きいものを素早く、効率よくコントロールするための概念であり、DXという大きな変化を乗り切るための鍵の1つは、実験、学習、テストを積極的に行うことで、この「柔軟性」を持つことです。ビジネスリーダーは、迅速なイノベーションと実験を促進するために、アジャイルマインドセットを持っている必要があるといえます

ID・アクセス管理(IAM)の脅威性

パンデミックは、リモートワークの推進やデジタルトランスフォーメーションの取り組みをサポートする必要性の高まりから、ID・アクセス管理(IAM)の認知度を高めました。  

IDはサイバーセキュリティの基盤となっているため、裏を返せば、ID管理が不適切  なだけで相当な被害を出してしまう可能性も秘めています。Verizonの 2022 Data Breach Investigations Reportによれば盗まれた実際に盗まれたデータ侵害のうち、認証情報によるものがは全データ侵害の61%を占めているとしています。またGartner社は、セキュリティ障害の75%はID管理の欠如に起因するとしています。 

企業は特にIAM能力の向上に注力した施策をしていることが多いですが、そのほとんどは、「ユーザー認証を向上させるために必要な技術」に焦点が当てられてきました。これは一見、有益なことのようにも思えてしまいますが、実際には「サイバー犯罪者の攻撃対象が増える」ことに繋がりかねないのです。NashTechのCISO(最高情報セキュリティ責任者)であるJim Tillerは、「全体的に見ると、企業は二重認証の推進とその実行状況については上々だろう。しかし、基盤となる技術には弱点がある」と指摘します。


サイバー攻撃から企業を守る方法 

  • ゼロ・トラストを取り入れる:ゼロ・トラストとは、セキュリティにおいて、すべてのネットワークトラフィックを信頼しないという前提に立って設計されたアプローチです。多くの組織で従来のアプローチが行われていて、ネットワークの内側にあるものは信頼され、外側にあるものは信頼されないという前提に基づいて、ネットワークにファイアウォールやセキュリティゲートウェイを導入して、外部からの攻撃を防御していました。このようなアクセス許可の甘さは、権限のないゲストが内部システムにアクセスした場合、組織に大きなリスクをもたらす可能性があります。内部ネットワークにいるユーザーであっても、そのユーザーが認証され、許可されたアクションを行うかどうかを常に確認し、認証されていない場合はアクセスを拒否するという、ゼロトラストモデルを採用することで、企業は企業のリソースへのアクセスを許可する前に、ユーザーが本人であることを常に保証することができます。 
  • 継続的な検証をする:ゼロトラスト・モデルの主な考え方のひとつは、継続的な検証です。IAMのプロセスとポリシーは、ユーザーの確認にとどまらず、マシンやアプリケーションなどを含むマルチなID検証を含む必要があります。継続的な検証は、特定のユーザーが本人である確率を測定するため、ユーザーは一度だけでなく一連の活動全体を通して継続的に認証されるのです。 
  • IDセキュリティを流動的に行う:組織はIAMを導入して終わりというわけではありません。ネットワークの規模は今後もはるかに拡大し、急速に進化するでしょう。企業などの組織はこれからますます、IDに関するセキュリティを継続的に監視、評価、軌道修正する必要があります。IAMの能力とポリシーの向上に取り組むことで、企業は常に進化し続けるサイバー攻撃から組織を守ることができます。

2023年、テクノロジー産業は、来るべき将来を見据えた長期的な問題の解決に集中することになると予測されます。それぞれのテック企業は、顧客企業やその従業員のニーズを満たすために、適応性や革新性、回復力を持って、ビジネス構造と機能を迅速に再構成することができるよう努めることになります。 
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